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Re: 俺様メイド?!! ( No.1 )
日時: 2011/01/12 17:21
名前: 山下愁 (ID: GlvB0uzl)

プロローグ

「おはようございます、優亜様」

 心地よいトーンの声。気持ちの良い朝……な、はずがない。
 相崎優亜は即座に目を開けると、バッとベッドから飛び出した。
 視界に広がる、白を基調とした部屋。しかもかなり広い。クイーンサイズのベッドのわきには、メイドがいた。
 黒く長い髪を左下で結び、静かにほほ笑んでいる綺麗な女の子。

「おはようじゃないわよ! あたしの部屋に入らないでよ!」
「そうは言っても優亜様。私は、奥様からあなたの身の回りの世話をするように頼まれているので」

 メイドはにっこりとしたほほ笑みを崩さないまま、淡々と告げた。
 優亜は頬を膨らませ、メイドに向かってどなる。

「ご主人様の言う事、聞けないの?」
「優亜様。私に何か言うのであれば、制服に着替えてからにしたらどうです? 学校に遅刻しますよ」

 メイドは優亜に向かって、提案をした。
 しかし、それどころではない優亜は、メイドに向かってまだどなる。

「年頃の女の子の部屋に入ってくるんじゃないって言ったじゃない、このじょそ——」

 優亜の言葉が言い終わらないうちに、メイドは優亜をベッドに押し倒した。
 逃げられないように両腕をつき、メイドは優亜を見下ろす形になっている。黒髪から覗く表情は、悪魔のような笑み。
 メイドは優亜の肩に顔をうずめて、低い声で囁いた。

「俺に何か言う時には、着替えろって言わなかったか?」
「っ、ちょっと。止めて。放して」

 優亜は、メイドの胸を叩くが、メイドは優亜の腕を掴んで、またにっこりとほほ笑む。
 空いている方の腕で、優亜の髪に手を伸ばし、また低い声で言った。

「それとも、俺が着替えさせてやろうか?」
「————っ!!! 変態!」

 優亜はメイドを蹴り上げるが、スカートをかすっただけだった。
 メイドはひらりと宙返りを決めると、いつもの声に戻して、優亜に言う。

「では、お着換えが終わりましたらお呼びくださいませ。食事の用意をしてきます」

 メイドは静かに部屋から出て行った。
 1人になった優亜は、誰もいなくなった部屋に向かってぼやく。

「男のくせに、」