コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺様メイド?!! ( No.13 )
- 日時: 2011/01/18 19:33
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第3話 2部
そしてそして、やって来ちゃった☆黒金高校!
優亜は、恵梨と博を携えて、黒金高校に殴りこんできた。
理由はもちろん、翔の言っていた『東』という生徒を調べる為。本当かどうか分からないけど、知りたいから知るだけ!
「優亜ぁ〜……。もう止めよ?」
「嫌。調べるの!」
優亜は懲りずに、恵梨の止めるのも聞かず、黒金高校にずけずけと入って行く。
案の定、黒金高校の生徒に捕まった。
「お譲ちゃん、何か用かい?」
「えぇ。この高校に居る、東っていう生徒に用があるの。あなた、知ってる?」
優亜が話しかけてきた生徒に訊くと、その生徒はそそくさと逃げた。
辺りに視線を巡らすと、途端に視線をそらしてくる。何かあったのだろうか。
とりあえず、優亜はその辺の生徒に話しかけてみた。
「ねぇ、何かあったの?」
「ひ!!! 何でお前、東の事なんか調べてるんだよ!」
「? 何でそんなに怯えているの?」
その生徒は、おどおどしながらも、優亜の質問に答えた。
「東はな、何人もの生徒を病院送りにしてきた。あいつ、噂じゃ結構ヤバいとこに行ってるらしいし」
「ヤバいとこ?」
「お前みたいなお嬢は行かなくて良いとこだよ……。知ってるのは、奴は死神みたいに、人を狩る事ぐらいだ」
それだけ言うと、生徒は逃げるように校門を出て行った。
死神? 一体どういう事だろうか。
優亜は、ますます興味が出てきたらしく、校舎に向かって進み始めた。
それを止めようと、博と恵梨は走り出す。
「なぁ、なぁ。優亜。止めようぜ? 何で東なんかに興味があるんだよ」
「昔。本当に昔よ? その人に助けてもらった覚えがあるの」
優亜は、真剣な表情で言う。
それは優亜が6歳の時、迷子で泣いていて、上級生の人達に絡まれていた所を、同じ歳の子供が助けてくれたのだ。
暗がりでよく見えなかったが、優亜は初めて人を好きになったのだ。
その子が名乗った名前が、東だったのだ。
だから、噂を聞いた時、まさかと思ったので来たのだ。もちろん、気になったという理由もあるが。
「ふーん。そんな思い出があるのかぁ。よし! 俺は最後まで付き合うぞ!」
「うん。少し怖いけど、私も付き合うわ」
「ありがとう、恵梨。博」
優亜は、2人に笑って見せた。
***** ***** *****
「へぇ? 女子が。珍しいな、しかも華月学園の連中じゃん。何しに来たの?」
「東? あぁ、俺の事を探しに来たの?」
「なるほど。じゃぁ、赴かないといけないね。来客は、最高の御もてなしをしないとね」
***** ***** *****
優亜、恵梨、博の3人は、黒金高校の校舎に入っていた。
廊下は暗くて、電気が全て割れているようだった。流石不良校。
壁はボロボロで、落書きがされていた。窓はすべて割れて、ほぼ全壊。床にはゴミの山。
「うへぇ。兄貴、こんなトコ通ってたんだ」
博は苦い表情を浮かべて、廊下を歩いていた。
優亜は真剣な表情で、生徒を探すが見つからない。下校の時間なのだろう。
すると、そんな3人に声がかけられた。
「やぁ。黒金高校にようこそ」
3人は振り向いた。
そこに居たのは、綺麗な金髪をした優亜達と同じか、1つ上を思わせる少年が、笑って立っていた。
「誰?」
「え、君らさ。俺を探しに来たんじゃないの?」
少年は、がっかりしたような表情を見せる。
まさか、この金髪少年が、東————?
「あ、あの。あなたが気になって——。それで、少しお話がしたくて」
「へぇ? 分かった。こっちおいで、お話をしようか」
少年、東は優亜達に背中を見せ、廊下を進む。
優亜は、迷いもなくその背中について行った。博も、恵梨も。
その時だ。
誰かに両腕を後ろから縛られ、口に布を当てられる。博も、恵梨も同じような感じにされた。
東はくすくすと笑い、優亜に向かって言う。
「女の子は結構な上玉だし、このまま俺の女になってもらうから♪ 絶対に放さない」
そこで、優亜の意識は途切れた。
***** ***** *****
黒金高校の校門に、1人のメイドが居た。
メイドは面倒くさそうに、黒髪の頭を掻きまわす。そして、結んでいない黒髪を左下で結び、舌打ちをかます。
そのメイドを見た瞬間、周りの生徒がぼそぼそと噂をしてきた。
「あーぁ、面倒だよなァ……。友達いれば良いんだけどなァ……」
メイドは欠伸を1つして、校舎へと歩みを進める。
両手の骨をポキポキと鳴らし、メイド服のスカートを空中にたなびかせながら、ただ歩く。
「まぁ、やるっきゃないよな」
※まさか、このメイドは——?! 優亜はどうなる? 次回、第3話完結!