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Re: 俺様メイド?!! ( No.25 )
日時: 2011/01/22 16:50
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第5話 2部

 優亜と恵梨、雛菊、零音。そして、その中に男が1人。言わずもがな博である。
 もちろん、この5人が話しているのは、学校の話。クラスが違う雛菊と零音も交えて、話が盛り上がる盛り上がる。

「担任の先生、誰だっけ」
「数学の日吉先生です。積極的なんですけど、暑苦しいの」
「私……理科の三河先生。……あの人、カブトムシを肩に乗っけて……」

 そして話しているうちに、分かってきた事もある。
 雛菊は東方のフラ○ドールというキャラが好きで、その話をさせると10分ぐらいは続いて強制終了。
 零音は虫が嫌いらしく、三河先生に近付けないのに、理科係りになってしまい、大変らしい。

「皆苦労してるんだねー」
「そうでも……ない」

 すると、部屋に翔が燐を連れてやってきた。
 荷台に5枚の皿を抱え、それを皆の前に置く。
 皿に盛りつけられたのは、色とりどりのプチケーキ。それぞれ色が違う。

「皆様の雰囲気に合わせて作りました。深江様はこちらを。カカオ99%使用した、ガトーショコラでございます」
「ありがとうございます。苦そう……☆」

 そこ、喜ぶところか?
 雛菊も零音もプチケーキを気に入ってくれたらしい。美味しそうにほおばってくれている。
 博も、翔に愛の言葉を振りまきながら、美味しいと言っていた。恵梨も、嬉しそうに苦いケーキを食べている。
 優亜は皆を見て、にっこりとほほ笑んだ。

「喜んでいただけたようで何よりです」
「そうですね」

 翔と燐も、嬉しそうに笑っていた。
 その時。部屋に雫が入ってきた。何か慌てているようだ。

「翔さん、燐さん。玄関にすごんだ人達が……。優亜様に用があるようで」
「優亜様に? ……分かりました。私が話をつけてきます。優亜様、そして皆様。燐と雫を置いていきます。燐、雫。皆様をお守りしてください」

 翔はそう言い残すと、部屋を出て行った。
 優亜はその後を追いかけようと椅子を立ちあがったが、雫に制される。

「どこに行くのです?」
「翔を……助けたいの。翔、危ないよ!」
「いけません。あなた様は私どもの主です。主の安全を守るのが、私どもの役目となります」

 雫は仏頂面で、優亜に言う。
 でも、優亜も引き下がらない。翔は雫と燐と比べ物にならないくらい大切な人だ。
 いつだって守ってくれた。自分が危ない時に、絶対に駆けつけて助けてくれた。
 だから、助けたい!

「私だって、何か出来る事があるはず!」
「優亜様!」

 優亜は雫を振り切り、部屋のドアを開けた。
 そこに居たのは、頬に傷を作った葉巻をくわえた男性だった。つーかもう、軽くギャング。

「お、こんなところにおったんかい」
「え……何? 嘘、誰?」
「誰って……。まぁ良いや」

 男性は優亜に手を伸ばした。瞬間
 手にナイフが刺さった。

「な、?!!」
「おや、手が滑ってしまいました」

 ナイフを構えて笑う、燐の姿がすぐそばにあった。
 男性は燐を睨みつけ、そしてどなる。

「てめぇ、何しやがる!」
「何しやがる、はこっちの台詞です。優亜様に手を出さないでください」
「何してるのです燐。ナイフをしまいなさい」

 男性の後ろから、翔が出てきた。
 燐が驚きの表情を浮かべ、翔に向かって問う。

「何故です? 優亜様を危険に晒すなと……」
「その人は、優亜様の担任の先生です。重要な手紙を届けるのを忘れたので、わざわざ届けに来て下さったのですよ」

 翔はため息をついて、男性を見上げた。
 早とちり……。安心した……。
 優亜はホッと一息をついた。

「……俺が負けるとでも思ったか?」
「な、思ってないわよ!」
「嘘つけ」

 翔は小声で優亜をからかい、優亜は翔に反撃をした。