コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺様メイド?!!-完璧メイドは男の娘?!- ( No.51 )
- 日時: 2011/02/24 14:36
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第11話 2部
とりあえず、翔を女だと思い込んでいる恵梨達には、ご帰宅をしてもらった。頼むから干渉はするな。
そして、七海を大広間に通し、座らせてあげる。
当本人は、相も変わらず翔にしがみついていて離れない。離れてくれない。
翔はというと、もう完全に呆れている。メイド服を着ているのに、スの性格が見え隠れしていた。
「あの……何で翔を、お見合いに?」
「理由は簡単。わたくしが惚れたからに決まっているでしょう?」
七海は、ハッキリと自分の言葉で、思いを告げた。なんてハッキリした子でしょう。
翔を見合い相手にする、なんてのは優亜でも納得は行かない。
第一に、翔は優亜のメイドだ。手放すなんて出来ない。いや、好きとかじゃなくて。
「とにかく、翔さんはわたくしがもらいますわ!!」
「いや、本人の意見を聞いていないでしょう」
これは燐の言葉。苦笑をしながら、反論をした。
七海は燐を一瞥し、嘲笑う。
「あなたのところには、貧弱そうな執事とメイドしかいらっしゃらないの?」
「……貧弱……?」
七海の言葉に反応した燐は、燕尾服の下に隠し持っている銃を引き抜きそうになったが、あえて我慢した。客に銃を向ける執事なんていないもん。
さらに、七海は雫にも、
「そこの融通の効かないメイドさんは、いつも仏頂面ね。もう少し笑ったらいかがかしら?」
「それが出来たら……どんなに良い事でしょうッ……!!」
雫は、箒に隠してある刀を抜きそうになったが、理性で我慢した。偉い。
2人を怒らせたという事を知らずに、七海は言葉を続ける。
「わたくしでしたら、こんな弱そうな使用人は雇いませんわ。もう少しお強い使用人を雇いましてよ?」
「もう止めろ」
一触即発の空気をぶち破ったのは、翔の声だった。
七海は翔を見上げ、首を傾げていた。
「放せ、クソガキが」
翔は七海の腕を振り払い、そして鋭い眼光で睨みつけた。
そんな翔の言葉を聞いた七海は、金切り声をあげて椅子から立ち上がった。
「クソガキ?! あなた、クソガキって言いましたわね?! あなたとわたくしは同い年のはずでしてよ!」
「俺は16だ。1つの差ぐらい知っとけ。これだからガキは……」
大きなため息をつく翔。
七海は、大広間から飛び出した。何故か泣きながら。
「翔……。女の子に、いくらなんでも言いすぎ」
優亜は七海を憐れむような目で見ながら、翔に注意をする。
翔はフイとそっぽを向き、呆れたような口調で言葉を吐きだした。
「だから何だって言うんだ。別に、俺が迷惑する訳じゃないのに」
「そうですよ。正直、翔さんには感謝してます。あの娘に貧弱なんて言われて、思わず銃を抜くところでした」
「私だって……刀を抜き、あの女を刺すところでした」
「いや、お前らそれはやりすぎ……」
***** ***** *****
次の日の放課後。
冷たい感触で、優亜は目を覚ました。何故目を覚ましたかと言うと、優亜は下校中に誰かに襲われたのだ。
正確に言えば、誰かに後頭部を殴られた。
「ここ、は……?」
「あら、お目覚め?」
優亜は顔を上げた。
視界に居たのは、数人の不良を従えた七海の姿だった。不敵な笑みを浮かべ、自分を見下ろしている。
「ここはどこなの?」
「さぁ、どこでしょうね。翔さんは、絶対に渡してもらうわ」
優亜は眉をひそめ、七海に反論をした。
「何でそこまで、翔にこだわるの?!!」
「決まっているでしょう?!!」
七海は叫んだ。涙を浮かべて、優亜に向かって叫んだ。
「好きだから、好きだからに決まっているでしょう?!! あなたなんかに、わたくしの気持ちが分かるとでも言うの?!」
「……ッ!!」
翔が好き。七海の気持ちを聞いて、優亜は何も反論はしなかった。
七海は涙をぬぐい、不良に目配せをする。
「翔さんの隣に合わない程、ボコボコにしてあげるわ」
「なっ……」
しかも相手は男。さらに、優亜は手錠をされていて逃げられない。
まさに絶対絶命の大ピンチ!!
優亜の安否は、次回に続く!!