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Re: 俺様メイド?!!-協力、野宮詩織様でコラボ小説掲載- ( No.76 )
日時: 2011/03/13 15:38
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

番外編 俺様メイド×おいでませ、助太刀部!! コラボ小説

【東の謎を解明せよ】


〜岡崎翔視点〜


 初めまして、皆様。もしくはお久しぶりです。
 『おいでませ、助太刀部!!』及び『怪奇大戦争』の主人公、岡崎翔と言います。
 助太刀部の一環なのか、ただの自己満足なのか分からないが、部長の深間の勝手で、相崎家の豪邸にお邪魔させてもらう事になった。
 それにしてもすげぇトコだな。寮の何倍の広さだよ。

「こちらに主人がいらっしゃいます。しばしのご歓談を、私はその間にお茶のご用意をさせてもらいます」

「あ、お気遣いありがとうございます」

 男のくせに、完璧なメイドさんだ。
 えーと……確か、瀬野さんだったかな? 俺と同じ漢字の名前だったし。

「開けるよっ!」

 深間の声がして、木で出来たドアが開かれる。
 白で統一された豪華な部屋。窓側の隅にある学習机の椅子に座ってボーとしているのは、茶髪のロングヘアの女の子だった。
 お嬢様——と言うよりは、深間に似ているただの女の子だ。

「ねぇねぇっ!! 君があのメイドさんの主かいっ?」

「ふぇ?! あの、えぇと……。ハイ、そうです」

 一瞬だけびっくりした女の子は、慌てたように言葉を紡ぐ。何だ? 今まで気付いていなかったのか?
 流石の桜でも、女の子に対しては抜刀はしないだろう。
 と言うか、それぐらいの常識はあいつでも持っているはずだ。

「私は深間秋牙だよっ!! 少しこの家に興味を持って、探検させてもらう事になったんだっ!」

「えと……、何故あたしの家を探検したいのかが分からないんですけど……」

 そりゃそうだ。誰だって知らない人に家を探検されたくはない。
 深間の場合、答えるのは当然「興味があるから」だろう。

「何もない家ですが、探検するならどうぞ。あ、あたしは相崎優亜と申します。よろしくお願いしますね」

 女の子——相崎さんはにっこりと笑った。
 流石女の子だ。桜とは違う。

「何か余計な事を思っていなかったか?」

「いえ、何も」

 気付かれた。四月朔日と同じく、読心術でも持っているのだろうか?
 こいつなら有り得るな。
 すると、部屋のドアがノックされて、瀬野さんがティーセットを持って入ってきた。

「お待たせいたしました。本日のアフタヌーンは、良いカカオが手に入りましたので、ガトーショコラを作りました」

 皿にのったチョコレートケーキはとてつもなく苦そうで、金箔が上に飾られていた。
 うわ、こんな豪華なお菓子、作れるのか。瀬野さんは。

「優亜様は苦いものがお嫌いの様ですので、別で作らせていただきました」

「ありがとう」

 そっけなく礼の言葉を述べ、相崎さんはガトーショコラを口に運ぶ。俺も頂こう。
 ……苦い。ものすごい苦い。コーヒーを飲んでいるんじゃないかというノリの。

「苦い〜っ!!」

「翔、深間さんの作りなおしてあげて。なんかとても苦そうだから! えーと、そちらの……名前、なんでしたっけ?」

「アタシか?」

 平然として食べていた桜は、ふと顔を上げた。どうやら苦いのは平気なようだ。
 と言うか、こいつに好き嫌いとかあるのだろうか?

「アタシは桜だ。桜歩」

「桜さんですね。苦い物は平気なんですか?」

「好き嫌いは特にない」

 ※山下愁は野宮詩織様の小説『おいでませ、助太刀部!!』の方を読みなおしましたが、翔君と歩さんと秋牙さんの好きなものとか分かりませんので、改造させてもらいました。
  野宮詩織様、誠に申し訳ございません。

「分かりました。少々お待ち下さいませ」

 瀬野さんは綺麗な礼をして、急いで別のを作りに行ってしまった。
 何か、本当に男なのか疑いたくなってきた。

「ところで、そちらの——男の人の名前は、何て言うのでしょうか?」

「あぁ、俺は岡崎翔。瀬野さんと同じ「翔」という漢字で「かける」と読ませている」

「なるほど。ありがとうございます」

 笑顔が引きつっている。何かあったのだろうか。
 深間が、余計な事を相崎さんに訊いた。

「岡崎が嫌かいっ? なら、桜ちゃんに抹殺させようかっ?」

「喜んでやるぞ」

「あぁ、いえ。そんな訳ではないんです」

 相崎さんは、首を横に振った。
 じゃぁどういう訳なんだ?

「あたし、男性の方が苦手なんです」

 ……。
 えぇぇぇえええええ?!!

「もしかして、瀬野さんも苦手だったりする?」

「ハイ。少しだけですが——翔なら大丈夫です」

 そこはメイドだから、かな?

「女装をしていれば、男性の方でも触れるのですが——」

 2人の目がキランッと輝いた。
 え、何だろう。ここでもプライドを捨てなければならないのだろうか?

「優亜、と言ったか? メイド服、予備のあるか?」

「あります。取ってきますね」

「止めてください何か危ない予感がします!!」


 ……貴重な体験の予感だよ。


 岡崎君、ドンマイ☆
 優亜はそんな人だから、我慢しなさい。
 野宮詩織様、こんなになってしまいましたが申し訳ございません。

 次回へ続く!!