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- Re: 俺様メイド?!!-クライマックス突入!!- ( No.90 )
- 日時: 2011/03/28 13:35
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第16話 4部
湯気の立つコーヒーを3人の前に置き、翔は首を傾げながら訊く。
「何で俺の家に来てんだよお前らは。一体何なんですか」
燐と雫はのんびりとした様子でコーヒーを啜っていた。理由を話す気は最早皆無。
優亜はうつむき加減で、今までの事を簡単に話した。
朝起きたらスキンヘッドを筆頭に、男達に囲まれた事。
大輔の命令により、自分が連れさらわれそうになった事。
それを燐と雫が助けてくれた事、全て。
話を黙って聞いていた翔は、怪訝そうに目を細めた。
「あの金髪巻き毛野郎か? 何ならもう1度ブッ飛ばして——」
「止めておいた方がよろしいかと思います」
ソファから立ち上がり、部屋を出て行こうとした翔を、雫が冷静な言葉で止める。
何でだよ、と翔は雫に訊いた。
「あの者達が優亜様を狙って街を探す事はもう分かり切っています。あなたが単独であの者達を倒したところで、何になりますか」
無表情で、そして無感情の言葉で諭すように雫は言う。
「今は黙って、あの者達が諦めてくれるのを待つのが得策かと思いますが」
「——ッ」
正論を言われ、黙ってソファに戻る翔。
空になったカップを机に置き、雫は立ち上がる。と、同時に燐も立ち上がった。
「どこに行くつもりだ。お前らが倒すなって言ったんだろうが」
「僕らも馬鹿ではありませんよ。ただ、荷物を取りに行くだけです」
笑顔で言葉を吐く燐に、翔は「何の荷物だ」と問いかける。
「決まっています。優亜様のお召し物や生活用品です。しばらく厄介になりますからね」
その言葉を聞いた途端、翔はソファを立ち上がった。
怒る事も無理もない。何せ、自分の家で優亜とその他を匿うのだから。
「何で俺が優亜とお前らを匿わなきゃいけない訳?!」
「何を言っているのです、翔」
今度は雫が、翔を睨みつけるかの如く言い放つ。
「私達はきちんと家に帰りますよ。住むところもきちんとありますし。優亜様だけを匿ってください」
「じゃぁ優亜だけここに残して行くのかよ?」
というか、年頃の女を男の家で匿わせるか?! と付け足しで叫ぶ翔。
その言葉に笑顔で肯定した2人。何と理不尽な。
優亜も納得がいかないらしく、2人に抗議をし始めた。
「何であたしが翔の家に住まわなきゃいけないの? どうせなら恵梨や雛菊のとこに行く!」
「ご友人の方々ですと信用出来ません。あっさり優亜様を引き渡してしまう可能性があります」
「じゃぁ雫さんのところはダメですか?」
「私が留守の間に攫われてもいいのでしたら構いませんが。私も独りで暮らしている身なので」
それに、と雫は付け足す。
「翔は優亜様と歳が近いので。接する時も気兼ねなく出来るのではないかと」
余計な御世話だ。
優亜と翔はそう言いかけたが、燐と雫はスタスタと出て行ってしまった。
そのまま2人は、静かにお互いの顔を見つめる。どちらも冷や汗が流れていた。
「嘘だろ、おい」
「嘘でしょ……」
と言う訳で、匿う為に同棲決定!
……変な展開を期待しても、何も書きませんよ?