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Re: オタクな生徒会長は絶好調!?『オリキャラ募集中』 ( No.134 )
日時: 2011/08/01 15:57
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: Cc8cxid4)

番外編10『ちょっとシリアスな後半戦。……まぁ内容は相変わらずバカっぽいんだけど』

文化祭まであと1ヶ月。それなのに適当に決めた演しものが「執事・メイド喫茶」なんて、ハードルが高い。つーか高すぎて飛べないレベル。とりあえず準備のため、生徒会室を飾り付けすることになった。生徒会室は割と広いために、三分の一を厨房に。三分の二を客席にした。会長さんは厨房の設置を業者さんと決めている。……詳しいことは聞いていないけれど、会長さんは結構な予算でこの文化祭に力を入れているらしい。つまり、この生徒会も例外ではない。予算があると言うことは、それだけ華やかになるということだけど……いまいちテンションが上がらないのは何故だろう。
 原田君と幸田先輩には厨房を担当してもらい、ビジュアル的にも問題がない姫神先輩と桜田先輩、そして何故か私が接客を担当することになった。……本当に、何でだろう。そして今私たちは執事服とメイド服のデザインを考えている。

「うーん、執事服かぁ。どんなのが良いんだろうねぇ?」
「……着たことないから分からない」

そりゃそうだ。人生で執事服を着るなんて事、もしかしたら無いかもしれない。っていうか、普通の人ならば着たいとは思わないだろう。……私は着ている人を見る方だけど。そういえば、この3人の中で実際に執事やメイドを見ているのって私だけだっけ。
するとそれに気づいたらしい姫神先輩が言う。

「玲ちゃんの家に執事さんとかいる?」
「あ、はい。いますけど……。あ、じゃあその執事服借りてきましょうか?デザインとか作るより、よっぽど手間かかりませんし」
「そうだね、よろしく頼むよ」

意外とあっさり決まった。執事服かぁ。それもビジュアル的に着せたら絵になりような人たちが着る。……す、少し妄想してみよう。



〜妄想タイム〜
姫神先輩『お帰りなさい、お嬢様!今日もお疲れ様です』
私『ただいま。本当に疲れたわ……』
姫神先輩『だったら、紅茶なんてどうです?上質なアッサムが手に入ったんです。……お嬢様に、喜んでもらいたくて』
私『ふふっ。ありがとう。いただくわ。そういえば、桜田は何処にいるの?』
姫神先輩『桜田なら、お嬢様のためにとお菓子を作っている最中です』
私『そう。……本当にありがとう』
桜田先輩『僕たちはお嬢様のために、お嬢様に喜んでもらいたくて……。僕たち——僕にとっては、お嬢様が一番だから』



「ぐはっ!?」
「れ、玲ちゃん!?」
「だ、大丈夫……?」

こ、興奮しすぎて……は、鼻血が……。ショタ執事の破壊力半端ねぇ!!私の妄想力が無限に上がった!!上目遣いに「お嬢様が一番だから」とか言われたら、即逝っちゃう!!
なんて一人で興奮しているけど、今いる場所は生徒会室。さすがにこれ以上妄想するとやばい。

「玲ちゃん、はいティッシュ」
「あ、すみません……。ありがとうございます」
「……制服、汚れないで良かった」
「はい。ご迷惑おかけしました」

桜田先輩まで気を遣わせてしまった……。反省、反省。
私はとりあえず保健室へ行ってきますと誤魔化す。ふぅ……危ない、危ない。……まぁ私の頭の中はもう危ないっつーか、既に危険区域だけどね。
 
「ねぇ、聞いた?今年の生徒会、執事・メイド喫茶らしいよ?」
「え、マジで?めっちゃ行きたい!!」

保健室へと行く廊下をあるいていると、そんな声が聞こえた。た、立ち聞きは趣味じゃないけど……。ちょっと気になって立ち止まる。

「超楽しみだよねっ。……でも、会長がやるとなると……」
「……あー、テンション下がるわぁ」

ど、どういうことなのだろう。会長の話になると、話していた女子の声は明らかにテンションが落ちていた。

「生徒会長のお爺さんって、近々ここを私立にしようとしてるらしいよ?」
「そうなったら生徒会長が後を継ぐって事でしょ?うわー、最悪」
「しかも、そのお爺さんって結構な額をこの学校に寄付してるって噂」
「あー、だから会長って3年連続生徒会長になったんだぁ」

さ、三年連続生徒会長!?つまり、1年の時から。どういうこと?1年の時から生徒会長と言うことは、かなりの成績や人望を集めないとなれない。それに……1年生が入学する前に生徒会長は決まっているはず。なのに、どうして?

「会長って、表向きにはけっこうな好青年だけどさぁ。実際には……ねぇ?」
「うんうん。……裏で何してるか分からないし」
「私立になったら、会長が理事長になる可能性もあるんでしょ?嫌だぁ〜」
「地獄だよねぇ」

奏汰君が……裏で何かをしてる?あの優しくて、笑顔が素敵で……私の婚約者の奏汰君が?私はわき上がるいくつもの疑問を押し殺す。これはただの噂だ。たわいもない噂。きっと奏汰君のことが嫌いだからそう言ってるんだ。そうだ。そうに違いない。けれど、私はそれ以上に気になっていることがあった。

————私立にしようとしてるって、どういうこと?