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Re: オタクな生徒会長は絶好調!?『第44話更新』 ( No.172 )
日時: 2011/09/24 21:44
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: lIcPUiXw)

第45話『NEWじゃなくていま流行のNOWでも良いんじゃない?』

「それじゃ、生徒会メンバーはスローガンの作成ね」
「風紀委員会はメニューとフロアと厨房の役割を決めてくれ」
「スローガンは大きなベニヤ板にペンキで描いて、テーマの『NEW』は白い布にペンで太く濃く書くことにするわ」
「フロアは女子8人男子10人。それ以外は全員厨房と客寄せに当たってくれ」
「生徒会は龍と月島がフロア。大多喜と暁と蒼井は客寄せよ。私と原田君はフロアの混み具合を見て、両方回るって事で良いわよね
「あぁ。とりあえず、厨房が決まったらメニュー作りにかかってくれ

さっきのメイド服・執事服騒ぎはどこへやら。生徒会室は会長と風紀委員長の的確な指示により、俺たちは指示通りに従った。
とりあえずスローガンを作成する。テーマはNEWなので、それに関連するようなスローガンが生徒から募集した結果、『新しいものを創造し想像しよう』という、なんとも素晴らしいスローガンが決まった。その生徒に話を聞くと、1時間悩んだらしい。たった数分で『NEW』にしてしまった会長に、その真剣さを分けてあげたい。もっとも、今の会長には必要ないかもしれないが。

「それじゃ、僕たちも始めようか」
「あ、はい」

会長は風紀委員長と打ち合わせをしているので、俺たちをまとめてくれるのは龍先輩だ。龍先輩も会長のことに関しては残念な人だけれど、基本的にリーダーシップがあり頼れる存在。俺たちも龍先輩の出す指示に動く。

「最初にテーマの『NEW』から始めようか。布には先生達が文字を書いてくれたから、その文字の色を塗りつぶしていくだけ。颯人と勇翔で『N』、終都と瑞樹で『E』。俺が『W』やるから」
「「「「分かりました」」」」

勇翔は既にカラーペンを用意してあり、俺は『N』の文字が書かれた布を準備する。意外と大きいため、ちょっと苦労しそうだ。

「んじゃ、はじめっか。Nの文字の縦左半分は俺で、右半分は颯人な」
「了解」

下書きの文字からはみ出さないように、慎重に塗りつぶしていく。
見た目はかなり地味だが、意外と神経を使う。集中してやらないと、一瞬の気の緩みでピッとはみ出してしまいそうだ。しかしサッカー少年の暁は足先だけでなく手先も器用らしく、俺の倍のスピードで塗りつぶしていく。
そして気づけば、いつの間にか俺の担当している右半分の方だけが真っ白くなっていた。

「おいおい、まだ終わらないのかよ」
「仕方ないだろ。お前と違って丁寧にやってるんだから」
「バーカ、俺の方が丁寧で早いわ。無駄口叩いてないで早くやれよ」
「俺は喋りながら作業した方がはかどるんだよ」
「なんだよそれ」

自分の分担場所が終わったので、勇翔は俺の分担場所を手伝ってくれる。
その間終始無言というのは何となく気まずいため、俺は独り言を言っていく。

「会長のNEWっていうテーマも良かったけど、流行のNOWに乗っかっても良かったんじゃないかなぁって思うんだよなぁ」
「…………」
「そしたらスローガンってどうなってたんだろうな。NOWだから……『文化祭で青春まっただ中なう』とか?」
「……………………」
「独り言って、なんでこんなに便利なんだろうなぁ。ひとりぼっちの部屋で見えない相手に話しかけてるって、意外と楽しいもんなんだよな。応答してくれないのがちょっぴり寂しいけれど、話している疑似体験っていうの?それが味わえるんだから、最高」
「………………………………」
「お前はどう思う?」
「独り言最高じゃなかったのかよ!!」

ただ話題を振っただけなのに、勇翔は激昂して俺を怒鳴る!

「しかもなんだよ。『文化祭で青春まっただ中なう』って。上手くも何でもねぇよ!それはスローガンじゃなくてツ○ッターだ!」
「なんだよ勇翔。一人ツッコミか?」
「お前に対してのツッコミだよ!一人ツッコミって何だよ。ノリツッコミ?!それはただ虚しいだけじゃないか!?」
「大丈夫だ。問題ない。少なくとも一人で突っ込んでいる奴に対して偏見はないから問題ない」
「大ありだボケぇぇええ!!まるでそれじゃあ俺が頭のおかしい奴じゃないか!」
「勇翔……。俺は一人で突っ込んでいる時のお前が、一番輝いて見えるぜ」
「本来ツッコミ役はお前だけどな!!」

そうこうしているうちに、『N』の文字の塗りつぶしが終わった。
うん、やっぱり話して作業した方がはかどるな!

「ほとんど俺がやったんだよぉぉぉおおおお!!!」