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Re: オタクな生徒会長は絶好調!?『第46話更新』 ( No.177 )
日時: 2011/10/08 11:45
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: WtPXn5LU)

第47話『文化祭まであと2週間……だから、手抜きじゃありませんって。いや、まじで、本当だから』

「今私たちは、窮地に立たされているわ」

文化祭まであと2週間。劇画タッチでそんなことをほざいたのは、当然会長だ。右の拳を握りしめて、胸の前に持ってきている。おそらく「いかにもピンチです」という様な状況を作りたいがためだろう。
 今日は風紀委員は生徒会には来ていない。既に厨房とフロアを分けられている生徒会室には、あまり大勢で入らない方が良いという風紀委員長の気遣いからだ。おそらく今頃、風紀委員の皆さん方は接客やら厨房やらを、風紀委員室で会議しているのだろう。
 一方、俺たちはと言うと、ここ一週間でたまりに溜まった仕事を片付けているところだった。

「第一、あと2週間しかないのよ?それなのに、どうして仕事をしなくてはいけないのよ」
「会長が仕事をためたからだろ……」
「じゃあ聞くけど暁。あなたは明日大事なサッカーの試合があるというのに、宿題を徹夜でするというの?」
「それとこれとは関係ないって」

そして、例のごとく、会長以外のメンバーで仕事を片付けることになった。
生徒会長のくせに仕事をしないというのもどうかと思うか、ゲームをやって仕事をあからさまにさぼられるよりはマシだろう。何でも良いから、とりあえず机に積まれた会長の許可サインが必要な書類を、適当にサインしていてくれれば良い。

「それにしても、今や喫茶店に様変わりしている生徒会室で仕事とは……。しゅ、シュールですよね」
「それもそうだな」

瑞樹と終都の言うとおり、俺たちが仕事をしている場所はいつもの生徒会室ではない。喫茶店用にと机や椅子がたくさん並べられている部屋だ。壁にも飾り付けなどがぶら下がっており、仕事がはかどるような環境ではない。

「けれど、こんなに仕事が溜まっているなんて思いも寄らなかったな」
「まぁな。結局、ここ1週間ばかり準備だけで過ごしてきたから、仕方ないだろ。ただでさえ文化祭準備期間という仕事が多い時期なのに、俺たちはそれをそっちのけで準備だろ?そりゃ溜まるわな」

勇翔が山積みにされた仕事の量を見ながら言う。
ちなみに、今やっている仕事の大半は文化祭がらみだ。予算の追加申請や、空き教室の貸し出し許可、文化部の展示スペースの割り振りが不満だの、様々な声が寄せられている。そんなものを一つずつ片付けていくのだから、気が遠くなりそうだ。

「姉さん、この書類のサインお願い」
「はいよ。……あぁ、風紀委員は今頃何しているのかしらね」
「さぁ……。でも、彼に任せておけば大丈夫だよ、きっと」
「別に彼を信用していないわけではないけれど……」

何も仕事をしていないのに飽きてきたのか、会長は龍先輩が持ってきた書類にサインをすると、だらける。

「第一、こんな生徒会室で仕事をするなんて、読者に何の利益も無いじゃない!もっと外に出て、活躍するべきよ」
「たとえば?」
「たとえば……」

龍先輩の問に、真剣に考え込む会長。
俺たちは余計な火種がこっちに飛んでこないように、こっそり距離をとる。ついでに知らんぷりも忘れない。

「校内巡察。パトロールよ、パトロール」
「それは風紀委員の人たちがやっているよ」
「だったらあれよ、あれ。それぞれ鞭を片手にびしばしと……」
「危ないね、それ。そんな生徒会絶対危ないよね」
「パンを加えて『遅刻遅刻ー』って良いながら廊下の角を曲がるとか」
「それは学校内でやるべき事なのかな。というか、校内をパンを加えながら『遅刻遅刻ー』って走るっていうのは、一種のフラグだと思うけれど」
「……どうも今日はボケとしてイマイチね」

そのイマイチなボケに対して、きちんとツッコンでいた龍先輩に拍手を送りたい。
どうも今日は調子が上がらないらしい。会長はテンションを一段階ぐらい下げた様子で言った。

「今回はただ生徒会室で仕事をするという、なんとも地味な話なのだから……当然、オチなんて無いわけでしょ?」
「というか、こんな話しに山もオチもねぇだろ」

勇翔の言葉に大きく頷く。

「だとしたら……。使うは奥の手よ!」

そう言うと、会長はびしっと右手人差し指を俺たちに突きつけた!

「それでは、本日の生徒会しゅうりょ———」
「それは某生徒会のアニメ版での決めぜりふだぁぁあああ!!!」

ということで、また次回〜。



………………いや、あの。本当にすみませんでした((by生徒会役員一同