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- Re: オタクな生徒会長は絶好調!?『第52話更新』 ( No.194 )
- 日時: 2012/04/29 13:28
- 名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: OhjxYZN.)
第53話『学園祭だよ! 全員、集合!……するかもしれないけど、忘れてる人もいるかもしれない』
生徒会室は戦場と化していた。
「メイドとは何か……。執事とは何か……。あなたたちは何もわかっていないわ」
会長は生徒会室の中央で、仁王立ちをしていた。顔をうつむかせ、わなわなと拳をふるわせる。
それを俺たちは——なるべく視界に入れないようにして、10分後の開店のための採取調整をしている。
「……メイドとは、主をサポートし、献身的に働くという意味も持つ。しかし。だがしかし。メイドというのは、『萌え』の代名詞だということを、誰もわかっちゃいない!!
メイドというのを『萌え文化』の一員にさせたのは、私たち日本人だというのを忘れてはいけないのよ! そう、だってこういうじゃない……。『メイド in ジャパン』って!メイドは日本にいるってことを、私たちは各製品にそれを知らしめている現状を、どうして見て見ぬふりをするのだ! 私は納得できない!!」
「龍先輩、そろそろ会長を止めなくていいんですか?」
「颯人、時にはね。現実から目を背けてもいい時ってあると思うんだ」
「少なくとも、今はそのときだと本当に思ってるんですか?」
「だって……あまりにも今の姉さんは直視できないほど汚れ——輝いているんだもの」
「先輩、本音が漏れてます」
それほどに今の会長は荒れているのだろうか。というか、『メイド イン ジャパン』ってそういう意味じゃない。『Made in Japan』だと思うけど。それを勝手に『メイド in ジャパン=メイドは日本にいる』という訳にしてしまうあたり、この会長の頭はもう終わっているのかもしれない。あ、正しくは『A maid is in Japan.』でメイドは日本にいる、です。
「それで、最終チェックだが。売り上げの計算は笹屋に任せてるから……」
そんな中で最終チェックとかをできる風紀委員長を、俺は心から尊敬する。さすがに会長と何年か一緒にいるということもあって、会長の扱い方に慣れているのかもしれない。
「……おい、星宮。そろそろ開店なんだが……」
「執事というのはつまり、どんな属性をつけても可なの! はい、そこで原田君。執事につけると良い属性を一つあげなさい」
「は!? え、あー……」
「ぶっぶー! 模範解答。『ツンデレ』『めがね』『ドS』『ショタ』『お兄ちゃん系』なんでもありよ!」
「俺が知るわけないだろ!」
「一般常識よ! あ、上級者の答えとしては『獣耳』も正解ね」
「それは上級者じゃなくてマニアックな人だろ」
「メニアックよ! 某シークレットサービスの人曰く」
「それこそ知るか!」
すっかり会長に翻弄されている。前言撤回。風紀委員長さんでも会長の扱い方に困っているらしい。