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- Re: オタクな生徒会長は絶好調!?『第53話更新』 ( No.195 )
- 日時: 2012/04/29 18:26
- 名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: OhjxYZN.)
第54話『あ〜……過去の生徒会メンバーって結局二人のバーター?っていうのは、彼らのためにも言わないでくださいね☆』
「いらっしゃいませ〜。メイド・執事喫茶にようこそ♪」
「ご主人様、私がご主人様の疲れを取り除いてさしあげますわね♪」
「お嬢様、こちらの席へ。エスコートは私にお任せください」
「こちら、カモミールティーになります。お嬢様のようなお疲れの人には、ぴったりかと」
……うん、あの〜。開店10分が経ちました。え、現状? 見ての通り、大盛況ですよ。というか、なんなんだ、あの風紀委員さんたちの演技力。さっきまで会長の指導を受けて、ものすごくやりたくなさそうな顔をしてたのに、お客さんが来たとたんに笑顔で接客を始めた。いや、もう厨房にいる俺らがどん引くほど。
対する会長は、
「あぁ、萌えよね。……はぁ、はぁ」
絶対にフロアには出さないと誓った。出したところで何かやらかすから。それを厨房担当の全員に伝えると、
「「「異議なし」」」
と、キレイに答えが返ってきた。
「それはそうと、会長は接客しないのか? 会長、メイド好きなんだろ?」
「あら、なによ暁。私のメイド服姿が見たいの? まったく、公衆の面前でなに性癖暴露してんのよ」
「ちげぇよ!! 単純に接客しないのかって聞いてるんだ」
「しないわよ。だって、私が好きなのはメイドであって、メイド服ではないのだから! メイド服を着てりゃ良いってもんじゃないのよ!!」
「うるせぇよ! そんなに語んなよこっぱずかしい!!」
うん、会長の面倒は勇斗に任せよう。それが得策だな。
さて、と。とりあえずオーダーがあったらちゃっちゃっと作るか。結構前のことだから忘れられているけど、俺、一応料理家志望だし。うん、絶対忘れられてるよな、この設定。
「……で? これ、なんだよ」
「え、何って……。やだなぁ、原田先輩。お好み焼きじゃないですか」
「いや、正確にはお好み焼きに扮したホットケーキだよな」
「ホットケーキに扮したお好み焼きです」
俺はホットプレートから上げたお好み焼き(ホットケーキ疑惑あり)を皿に載せると、ちょうど厨房に来た瑞樹に渡した。
「いや、な。それ以前に、俺はおまえらに言いたいことがある」
「はぁ、なんでしょう」
「なんでメニューが全部ホットケーキなんだよ!!」
そう。ここのメニューは全て、ホットケーキだ。とは言っても、その種類はゆうに20を越える。その一部を紹介すると、
「お好み焼き風、メープル風、オレンジ風、イチゴ風、バナナ風、チョコ風、生クリームのオプション付きイチゴ風、ホットケーキ風。……おい、最後のやつ絶対手抜きだろ」
「HAHAHA☆ ……全部手抜きですよ」
「ぶっちゃけるなよ!!」
だって本当のことだから!! 良いじゃんホットケーキ。低予算だし、楽だし、簡単だし。イチゴ風とかは、適当にジャムぶっ込んでおけばたいてい味出るし。メープル風なんて、ほら、あれじゃん。蜂蜜を生地に入れちゃえば、蜂蜜かけないで食べられるって言う、ほんと、ヘルシーじゃね?
「その生地に入れる蜂蜜の量が記事にかける蜂蜜の量を上回ったら、正直マイナスだよな」「あ、それ言っちゃいますか」
「最後のホットケーキ風って、何入れてるんだ?」
「あぁ、それですか。……めちゃくちゃうまいと評判のホットケーキミックスと、ちょっと残念な評価がされているホットケーキミックスを混ぜて作った、ホットケーキ」
「やめてやれ。それは、本当にやめてやれ」
なぜか肩を落とす原田先輩。と、そこに執事服に身を通した笹屋が厨房に入ってきた。
「どうした、笹屋」
「いえ。委員長と生徒会長に会いたいと言ってる人が居るんですが」
「俺たちに会いたい人?」
「ん? どうしたの、笹屋くん。もしかして、私にお持ち帰りしてもらいたいの?」
「とりあえず、厨房に呼んでくれ」
「分かりました」
「ねぇ、無視!? 私、一応ぼけたつもりなのよ!? 突っ込んでよ!!」
笹屋は原田先輩に礼をすると、会長に目を向けた。
「……ふっ」
「は、鼻で笑いやがったわこの子!!」
あいつにも会長の扱いが分かってきたらしい。