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- Re: オタクな生徒会長は絶好調!?『コメ下さい><』 ( No.201 )
- 日時: 2012/06/01 17:26
- 名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: SGJxjeZv)
第55話『え? 早く完結させろ? ……すんません』
「忙しいって言うのに……。良い迷惑よね」
「言葉を返すようで悪いが、星宮。お前、メイドと執事見てはぁはぁ言ってるだけじゃないか」
「それが忙しいって言ってるじゃない」
「あぁ、その言葉今厨房で汗水流して働いている奴らに聞かせてやりたいよ」
「働いたら負けだと思っている」
「ついにはそこまで堕ちたか」
「堕天使とは私のコトよ!」
「駄天使の間違いだろ」
「誰がダメな天使よ!」
星宮としょうもない口げんかをしながら、俺たちは呼び出した生徒の元に行く。正直、面倒だ。
が、そんなことは着いたらすぐに吹き飛んだ。
「……あれ、入り口のところに並んでるのって」
「は? ……なっ」
そこに、いたのは。
「やっほ〜。元気してる?」
「なんだこの風紀的によろしくない感じは。まったく、けしからんな」
「……ホットケーキ、美味しそう」
なんとも濃ゆい先輩達だった。
先輩達は相変わらずとても美形で、個性の大安売りで。変わってしまった俺たちの関係からすると、とても羨ましかった。
「……せん、ぱい」
「どうした星宮。いつにもなくだらしない格好をしておるぞ」
「そんなことないよ? 玲ちゃんは相変わらず可愛い!」
「……春姫がお世話になってる」
「あ、そっか。蓮の妹ちゃんは、玲ちゃんと和毅くんの後輩だっけ」
俺たち抜きで盛り上がっている先輩達。対する俺と星宮は、そんな先輩達の会話についていけなかった。
いや、話題にとかじゃなくて——そう、驚きで。
「って、あれ? もしかして和毅くんも玲ちゃんも、状況飲み込めてない感じ?」
「……呆然としている」
「ふん、たわけが」
「だ、って。何で、先輩達が……」
「母校の文化祭来るのに、理由なんているかな? 和毅くん」
「いえ、そういうわけではないのですが……」
た、たしかに、卒業生が母校の文化祭に来るなんて珍しくない。
隣の星宮を見ると、それに気づいたのか少し恥ずかしがっていた。
「でも、まさか来て下さるとは……」
「玲ちゃんが生徒会長をしてるんでしょ? 楽しみだなぁ」
「はい。あの、どうぞ中に入って下さい。今の生徒会を紹介しますから」
星宮が姫神先輩の腕を取って中に入っていく。
それにしても、本当に驚いた。先輩達が来てくれるとは思わなかったから。
けど、来てくれて嬉しい。純粋に。
「おぬし、変わったな」
「幸田先輩?」
まだ残っていた幸田先輩が、俺に近づいて言う。
「あの、どういう意味ですか」
「そのままの意味だ。……まさかとは思うが、伊集院にいらぬことを言われたのではあるまいな」
「————」
思わず唖然としそうな口を引き締める。
なんで、それを。
けれど、それを聞いたら肯定と取られてしまう。だから、俺は必死に顔をいつもの風紀委員長の顔に戻した。
「なんのことでしょう」
そして、追求される前に星宮達のもとに足を進める。
背後で何か言いたそうな躊躇いを感じたけれど、幸田先輩はそれ以上何も言わず、ただ着いてきた。