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- Re: オタクな生徒会長は絶好調? 『第11話更新』 ( No.23 )
- 日時: 2011/01/30 14:54
- 名前: 棋理 (ID: Fn07flnU)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
第12話『大多喜の欲しいプレゼントを聞き出す作戦その3』
「大多喜先輩は、どっきりだったら何でも良いらしいですよ」
「何よそれ!プレゼントを聞き出せてないじゃない!」
蒼井が会長に報告している間、俺、暁勇翔は考えていた。
大多喜颯人は高校に入ってから出来た、言わば親友だ。ゲームの話とか、意外と趣味があったために、今まで仲良くやってきた。
つまり、誕生日にはプレゼントをあげている。
誕生会とかはこっぱずかしくてやらないけど、プレゼントとかはあげている。だから、あいつの好む物はだいたい知っている。
——が、そのことには会長は気づいてない。俺が颯人とは親友だって事は知っているはず、多分。だから俺に聞けばだいたいのことが分かる。それなのに、どうして聞かないんだろう……。
「ちょっと暁。あんた聞いてるの?」
「へ?ああ、すまねえ。ちょっと考え事してた」
「ふうん。あんたが考え事ねぇ」
なんだよ、俺だって考え事ぐらいするさ。
「ま、別に良いけど。ほら、次あんたの番よ」
「あ、そっか」
——2−B教室——
とりあえず、蒼井が言っていた教室に来てみた。そして案の定——。
「お、颯人。お前まだ残ってたのか?」
「ん?勇翔」
自分の席で料理本を見ていた颯人が居た。俺はその隣の自分の席に座ると、本を覗いた。
「まだ親父さんの雑用か?」
「うっせー」
こいつの親父さんは料理人だ。家は小さいけれどレストランを経営している。俺もまだこいつと親友になって一年と少しだけだから、詳しいことは分からない。ただ、親父さんはとても厳しくて、滅多なことでは家族の誰にも包丁を握らせないらしい。
「それはそうと颯人、お前今年の誕生日何が欲しい?」
「え?なんだよいきなり…」
ストレートに聞くと、会長が怒るだろうか?なんて考えたけど、これはあくまでも個人の興味だ。俺は毎年こいつの誕生日の前日に聞いて、当日に渡している。毎年って言っても去年だけだけど。だから、きっと今年もそう聞かれると思っているに違いない。ましてや、この聞いた物が生徒会のメンバーからもらえるなんては、嘘でも思っていないだろう。
「うーん、今年かぁ。たしか去年はマグカップだったよな。……そういうのは女に渡せばいいじゃねーか」
「仕方ないだろ、だってお前『役に立つ物』って言うからだろ」
「もっと他にも役立つ物があるだろ」
そう言ってはいるものの、俺は一度見たことがある。颯人の家に行ったときに、食器洗いしている親父さんを見たら、親父さんが洗っている物が『俺があげたマグカップ』だったのを。
「で?今年は何が欲しいんだ?」
「そうだな……。写真立てかな?」
「写真立て?こりゃまたずいぶん乙女チックだな」
「うるせー」
まぁどうあれ、それが欲しいならそれで良いか。
「分かったよ」
「おう!ありがとな」
「お前も早く帰れよ。もう5時近いからな」
「分かってる。お前もな!」
そんな話をして、俺たちは別れた。
……さて、早くこれを会長に報告して帰るか。