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Re: オタクな生徒会長は絶好調? ( No.3 )
日時: 2011/11/24 13:54
名前: 棋理 (ID: 3s//keBI)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

第1話『まずは自己紹介!……全員集合までに時間がかかるけど』

「ねぇ今日部活行く?」
「俺、今度の大会でシュートを決める!」
「そういえば、あいつ付き合ってるんだって?」
「ねぇ、今日帰りに近くのコンビニの新作スイーツ買うつもりだけど、どうする?」

放課後の予定や世間話をしている生徒であふれかえった廊下は、大変賑やかだ。そんな光景を尻目に、俺はとある教室へと向かった。


——生徒会室——
「こんちはー」
「…………」

ピコ、ピコピコ、ドキューン。

「あ、くっそ…。またゲームオーバーか…」
「…あの、会長?」
「やっぱり攻略本無しだと難しいわね…」
「もしもーし」

俺の言葉なんか目もくれず。…いや、俺が入ってきたことすら気づいていないこの少女は、42型のハイビジョンTVの前で、PS2のコントローラを持って座っていた。綺麗な顔に、今は小さなしわが刻まれている。どうやら今は相当不機嫌なようだ。

「会長! こんにちは!」
「…………ん? ああ、大多喜ね」
「え? それだけですか」

だから何? とでも言いたそうな顔で言うと、美少女はまたコントローラーを構えた。
この美少女は、ここ、丘の上高校の生徒会会長。詳しくは登場人物紹介を見て——。

「名前ぐらい書いてくれてもいいと思うけど」
「ちょ、字の文まで読まないでくださいよ。それに、これがオレ流?」
「そんなことは望んでないわよ」

しょーがないなー。生徒会長の名前は星宮玲(ほしみや れい)。美人で成績優秀で運動神経抜群!非の打ち所がない少女だ。
——ただ欠点を上げるとしたら一つ。それは……。

「ふふ。この私にかかれば、こんなRPGなんて一日でクリアしてみせるわよ。
 この後もまだ「モン○ン」に「ファ○ナルファ○タジー」が待ってるんだから…」

そう、オタクなのだ。ゲームに限らずラノベ、アニメなどを好み、休日は家にこもってゲーム三昧か秋葉原に行くかのどちらか。そして、星宮グループのお嬢様と言うだけあって、金銭的にもまったく問題ない。つまり駄目人間海道まっしぐらだ。

「大多喜、誰が駄目人間海道まっしぐらだって?」
「うわ、会長!」

いつの間俺の後ろにいたんです!?
まるで幽霊じゃないですか……。

「コ○ンマ?」
「それ微妙に違うと思いますよ…」
「じゃあ額に×印の入った神父さん」
「あー、ずいぶんとすごいポジションの人を出しましたね。それに、その印は現在かかれていないですし」
「姉さんは本当にマニアックだよねぇ」
「そうそう……。……ああ、龍先輩」

俺たちの話にいきなり入ってきたのは、星宮龍(ほしみや りゅう)先輩。実は会長の双子の弟だが、実際は身長が高い龍先輩の方がお兄さんぽい。しっかり者の頼れる先輩だ。全校生徒の憧れの的でもある。

「こんにちは、颯人」
「龍先輩、今日は遅かったですね」
「先生の手伝いをしててね。それにしても、まだ人数がそろってないから、遅刻って事にはならないよね?」

誰もが見とれるさわやかスマイル炸裂! 先輩の笑顔は、本当に輝いてます。

「あー、龍。そこの攻略本取って」
「分かったよ、姉さん。それにしても、どうして姉さんはそんなにゲームやってて
 目が悪くないの?」
「ふふッ。それが私のスペックよ」
「へぇ。すごいんだねぇ」

ちなみにシスコン。同じ歳のくせに、会長だけには甘い。この生徒会で一番まともな人だと思ってたのにな……。