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- Re: オタクな生徒会長は絶好調? 『第21話後編更新』 ( No.53 )
- 日時: 2011/03/13 13:23
- 名前: 棋理 (ID: p81XYxhw)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
第22話『そしてまたカオスな展開』
「さて、今日の会議を始めるわよ」
約1週間ぶりの生徒会室での会議だ。それまで、俺の誕生日パーティーの準備をしてくれていたみたいで、会議どころか生徒会室に来ることさえなかった。……果たしてそれで良いのかという問いにはこう答えておこう。——いい訳あるかッ!
「えー、みんな知っているとおり。生徒会に放送当番が回ってきたわよ」
「げッ、マジかよ……」
会長の言葉に勇翔がげんなりする。
放送当番とは、その名の通り放送当番だ(おい)。詳しく説明すると、毎週金曜日には放課後に放送当番というものがあり、各委員会が30分間の放送をする。そこでの内容は様々だ。たとえば委員会からのお知らせや、質問の回答等々。図書委員会は本の貸し出し状況を永遠と述べていた気がする。このように、本当に30分間好きに放送しても良いのだ。同じ音楽を何回も繰り返していたり——。
「それで、僕たち生徒会は何をやるんですか?」
「ふふッ、よくぞ聞いてくれたわね月島」
その言葉を聞いたとたん月島が聞かなければ良かったという顔をしたけれど、後の祭り。会長は自信満々のような顔をして声高々に言った。
「もちろん、ラジオよ!!」
「「「「却下」」」」
「何でよ!!」
即座に全員で却下の判定を下す。たちまち反論する会長。
代表して、俺が会長に理由を述べる。
「だってこのメンバーでラジオとか、もうカオスな展開にしかならないじゃないですか」
「そんなこと無いわよ!せめて私は普通にラジオ出来るもの!」
「無理ですって、そんな普通じゃない人が普通にラジオなんか出来るわけ無いですよ」
「普通の人に言われたくはないわよ!」
「そうだとしても、会長は絶対無理ですって。俺が保証しますよ」
「あんたに保証なんかされたくないわよ!」
そしてまた始まっていく泥沼会話。全く収集が着かなくなったところで、ようやく龍先輩がフォローに入ってくれた。
「まぁまぁ、落ち着いて2人とも。確かにラジオは楽しそうだけど、颯人の言い分も一理あるからさ」
「じゃあ龍、あんたが何か案を出しなさいよ」
「え、俺が?」
会長の急な切り返しに驚いていたが、龍先輩は爽やかな笑みを浮かべたまま「そうだな…」とひとしきり考えると言った。
「姉さんの魅力を語るとか?」
「「「「却下」」」」
「あれ、駄目?」
意外な反応だったのか、龍先輩はきょとんとした顔で会長に言う。
「良い案だと思ったのになぁ、姉さん」
「私のよりも駄目じゃない!」
「じゃあこの案は却下だね。ちなみに第2希望は『会長からのありがたいお言葉〜流行のゲームについての抗議〜』なんだけど…」
「承認。それで行くわよ」
「「「ちょっと待てぃ!!」」」
結論!この姉弟は本当に自分の欲でしか動かない駄目人間だった!
「龍先輩だけはまともだと思っていたのですが……」
終都、それは言ってはいけない言葉だ。
「でもどうすんだよ。このままじゃまた決まらないで終わるぜ?」
勇翔の言葉で我に返る俺たち。確かに。と言うか、すでにこの状況がカオスだ。
今出ている案は『ラジオ』『会長の魅力語り』『会長からのありがたい言葉〜流行のゲームについての抗議〜』
「もうラジオで良いじゃない!考えるの面倒だし」
「そこぶっちゃけないでくださいよ!でも…確かにラジオしかありませんよね……。
…………会長のことだからまともなラジオにはならないでしょうが」
瑞樹が最後ボソって言った言葉を無視すると、会長は元気よく立ち上がった。
……瑞樹、俺も同感だ。
「それじゃあ、ラジオに決定!!さっそくお便りの募集するわよ!金曜日まであと3日、なんとしてでもお便りを募集しなさい!以上!」
言うだけ言うと、会長はまたゲームを始める。
……結局面倒事は俺たちなんだよなぁ……。