コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オタクな生徒会長は絶好調? 『第24話更新』 ( No.56 )
- 日時: 2011/03/27 16:17
- 名前: 棋理 (ID: p81XYxhw)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
第25話『リアル世界と季節がかけ離れてるけど、そこは、ほら。こんな小説だから勘弁して下さい』
「「「却下です」」」
「また!?」
俺たちの当然の判断に会長がまた愕然とする。この人には学習能力という物がないのだろうか。いや、それはない。なんて言ったって成績優秀で、試験の順位は毎回トップ3に入るほどだ。じゃあ、どうしてこんなに学習しないんだろう。
「別に良いじゃない!ラノベでは定番でしょ?」
「いや、定番かどうかは知りませんが、少なくとも俺たちでは無理です。というより、会長が提案した時点で無理です」
「じゃあ月島が提案したら良いって言うの?」
「もちろんです」
「差別よ差別!!生徒の代表である生徒会が、差別をして良いって言うの?!断固抗議する!!」
「少なくとも会長の頭は普通の人たちより斜め上を行くので、いちいち相手にしていたらきりがありません」
「それじゃあまるで、どこかの星の王子様みたいじゃない!!」
「奴は必ず斜め45度を行く」
「角度の問題じゃないわよ!!」
終都とのやりとりで会長はすっかり疲れ切ってしまった。おまけに某星の王子様のような言われように、よっぽどショックだったようだ。
椅子に座り直すと頬杖をついた。
「分かったわよ。そこまで言うならやめるわ」
「賢明な判断です」
「ふんっ!!」
やっと諦めてくれたか……。
「じゃあ仕方ないわね…。それにしても、これからの生徒会の方針はどうするのよ」
「とりあえず、まともに仕事をしようで良いんじゃないですか?」
「ぐっ。…まぁ、それはそうだけど…」
俺の提案を鵜呑みできず、会長はつまった。確かに俺の言葉は正論だ。だってここ一週間(俺誕生日の一件を含めて)まともに仕事していない。ラジオネームであったように、そろそろ仕事をしないと生徒から批判が上がりそうだ。
「あの、会長は何がしたいんですか?」
「何がしたいって…。どういうことよ月島」
「えと……。たとえば、生徒のために働きたいとか、地域に役立つことをしたいとかいろいろあります」
月島の提案に、会長は考え始めた。そう、まず目的を知りたい。
俺たちが生徒会に入って約3ヶ月。会長が何故生徒会に入ったのか、どうしたいのかを聞いたことがない気がする。……そういう生徒会もどうかと思うのだけど。
「そうね…。何がやりたいか…か」
意外と真剣に考えているらしく、会長は目を伏せて物思いにふけった。こうしてみると絵になるのだけど、実際に口を開いたらとんでもない人だからな…。
「————もともとあの人から譲り受けた地位だからな」
「え?会長、何か言いましたか?」
「あ、ううん。そうね、なにがやりたいかっていうと、生徒が1人でも楽しく過ごせる学校にしたいわ。進路のこととかあるかもしれないし、家のこととかあるのかもしれない。友達のこととかもある。でも、せめてここではそんなこと忘れてほしいの。ただ勉強して、ここに来て良かったって思える学校にしたい」
会長は迷路を脱出した子どもみたいに無邪気な顔で言った。その言葉に、少なくとも俺は——。
「会長、俺はここに来て良かったって思いますよ」
初めてであったときのことを思い出した。
他のメンバーもなんとなく物思いに頷く。この生徒会はなにかと過去を背負った者達が働いている。そして、会長はそんな俺たちを拾ってくれた。だから俺たちは、たとえ会長がどんなことをしてもついて行く。
「……そう。じゃあ今後の生徒会の方針は『明るい学校を作る』に決定!」
「「「「おおーー!!!」」」」
「そのために、まずは私たちが学校生活を楽しむのよ!!」
会長の最後の台詞はじゃっかん頷きがたかったけど、しばらくはそれで良いかなって思った。————今、本当にそう思った。