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Re: オタクな生徒会長は絶好調?      『第27話更新』 ( No.61 )
日時: 2011/03/28 14:15
名前: 棋理 (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

番外編2『初対面でどう自己紹介するかで、その人の第一印象が決まる…とか嫌だよね』

————許嫁。
今時古いと思うかもしれない。私だって最初は驚いたよ?初めてその存在を知ったのは、5歳の時。最初は言葉の意味が分からないから、多分適当に笑顔を見せて頷いたんだと思う。でも、本格的に知ったのは小学校の時。実は言うと、一年生の時に気になる男の子がいた。結構かっこよかったんだけど、親に言われた一言で諦めなくちゃいけなかった。「あなたには奏汰君がいるでしょ?」そのときはまだ幼なじみって感じで、一緒に遊んでくれる優しいお兄ちゃんだったけど、その一言で私が伊集院奏汰という人と人生を歩むんだってことに気づかされた。私が私立の中学校に行ったときから疎遠になってしまい、しばらく会わずにいられた。
 そして今———

「僕の名前は伊集院奏汰(いじゅういん かなた)。この学校の生徒会長だ」

私の先輩という形で目の前に現れた。
しばらく会わなかったから、忘れていたけど…。奏汰君はここ3年間でとっても大人びていた。かなりの美形。多分、道を歩いていたら逆ナンされると思う。

「じゃあ、とりあえず僕たちも席に着こうか。そこでもう一度自己紹介だ」
「心得た」
「は〜い」

奏汰君が私の隣に座る。正直どきっとした。あ、別に異性としてではなくて、久しぶりに会う反応が。……でも、スルー。

(忘れたのかな?)

それはそれで良いんだけど。

「次は副会長の紹介からかな」
「我の名前は幸田義久。生徒会の副会長を任されて居る」

時代錯誤な喋り方で幸田先輩は自己紹介した。……相変わらず聞きにくい。その横で退屈そうにしているのが、あの人なつっこい先輩だった。

「じゃあ次は僕だね!僕の名前は姫神春。生徒会の書記だよ」

自己紹介の時も明るく太陽みたいな笑顔を絶やさない姫神先輩。
先輩達が自己紹介を終えると、奏汰君が私たちを連れてきた理由を話した。

「実は、君たちには生徒会に入ってもらいたいんだ」
「嫌です」

い、今のは私じゃないよ!即答したのは同学年の男の子。なんて言うか、面倒ごとは嫌い見たい。明らかに面倒ごとの元凶である先輩達を睨んでる。

「そ、そんなにはっきり言われると…心が折れるな」
「面倒ごとと女子は嫌いなんです」

……その言葉に私の心が折れそうです。

「かいちょー、とりあえず話し進めな〜い?」
「そうだな。会長殿の心の状態は置いておき、我らがお主らをこの生徒会に呼んだわけを話そうぞ」
「いっちばん面倒な先輩は黙っててください」
「お、お主!我に向かってなんという口の利き方だ!?」
「まぁまぁ〜。殿さんも落ち着いて。玲ちゃんが置いてけぼりになってるよ?」

あ、いや…。まぁ1人でも別に平気なんですけど…。
姫神先輩が私に向かってごめんねっと謝る。どちらかというと、そのまま無かったことにしておいて欲しいですけど。
 姫神先輩の言葉に、奏汰君が咳払いをした。ようやく本題に入れるそうだ。

「僕たちの先輩が卒業して、人数が足りてないんだ。そこで、成績優秀者の君たちに入ってもらいたい」
「成績優秀者?」

思わずつぶやいてしまった私に、奏汰君は頷く。
いったいどういう意味なんだろう?
すると、奏汰君からバトンタッチした幸田先輩が続きを言った。

「お主達は自分の受験の点数を憶えているか?」
「受験の点数?んなの憶えてるわけ無いじゃないですか」
「うぬぬ…。で、ではそなたは」

わ、私ですか?えと……。すみません、憶えていません。
だって、合格したことが嬉しくて忘れちゃった。憶えてもろくな点数じゃなかったような気がするし……。

「はぁ…。会長殿。こんなやつらが生徒会の新入りなのか」
「うん、僕が選んだから間違いないよ」

僕が選んだ…?ってどういうことだろう。普通生徒会のメンバーって、投票とかで決めるんじゃないの?
その疑問に答えてくれたのは、姫神先輩だった。

「あ、そか。新入生は知らないか。この学校の生徒会って言うのはね、生徒会長だけが投票で決まるんだけど、そのほかのメンバーは会長さんが選ぶんだよ♪」

会長さんが選ぶ?……と言うことは、私は奏汰君——もとい会長さんに選ばれたって事?でも、どうして……?

「だから!お主らの成績が関係しているのだ。お前らの成績は、男子の最優秀成績者がお主、原田和毅。そして、女子の最優秀成績者がお主、星宮玲だ」

成績優秀者?わたし、そうだったんだ…。って、同級生の男の子が成績優秀者?
まぁ確かによく見ると頭が良さそうに見えるけど…。へぇ、そうだったんだ。
だから、私たちに生徒会には入れっていうこと?

「まぁそういうことだ。では、会長殿、あとは」
「そうだね。改めて、原田和毅君。星宮玲ちゃん。“初めまして”」

—————“初めまして”??