コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: オタクな生徒会長は絶好調!?【参照400突破!】 ( No.83 )
- 日時: 2011/06/23 21:59
- 名前: 棋理 (ID: f.CofffP)
参照400突破記念!! 〜一人だけの生徒会〜
「一人だぁぁあああああぁぁぁぁ……」
私だけの生徒会室というのも珍しいから、とりあえず叫んでみたはいいものの、語尾がだんだんと落ちていく。うぅ……むなしいよぅ。とりあえず暇を紛らわすため、私は42型ハイビジョンTVの前で、コントローラーを構えた。画面の中では私のキャラクターがファイティングポーズをとっている。
今日の生徒会は私だけだ。龍は先生の明日の授業の準備だとかで、理科室に。暁はサッカーの大会が近いから、練習に。蒼井と月島は顧問の早嶺先生にこき使われている。大多喜は……なんだっけ。まぁ忘れたということは、たいした用事でもないと思うよ。メンバーがいないのにどうして私がいるのかって?うーん……それはね、早嶺先生が『一人だけの生徒会なのだから、ここで一つ大暴れしてやれ』とか、意味不明なことをいってたから。あ、それだけじゃなくて……その……で、出番が欲しいとか思ってないんだからねっ!!
「……だ、だれかツッコンでぇ」
あぁ……果てしなく寂しい、虚しい。いや、ね?別にツッコンで欲しいとかじゃないよ?そこまでMじゃないよ?たださ———
「ツッコンでもらえないボケは、もはや頭が狂ってるとしか思われないんだよぉぉぉおおお!!!!」
私そこまでアホじゃないよ!?たしかに最近ちょっと腐っぽいかなって思って来たけれど、そこまでアホじゃないよ!?私のキャラが「頭がアレな可哀想な生徒会長」ってな感じになっているけど、断じて違うよ
「……って、私はなにをやっているんだ」
誰も居ない生徒会室で一人コント。仕方ない、久しぶりに仕事でもするか。ここ一週間で生徒会に寄せられた要望書に目を通す。
『要望書 放送委員会
この間のラジオですが、生徒会にではなく何故か放送委員会に苦情がきました。
どうしてくれるのですか?』
「…………………………」
背中を冷たい汗がしたたり落ちる。……こ、これはどうしよう。私がいつものノリで回答すれば、確実に敵が増えるわね。ということで、ここは真面目に回答を。
『回答 生徒会会長
その苦情をすべてこちらに回してください。
私が対応します』
かっこよくね?私、かっこよくね?ということで、次。これが終わったらゲームしようかな……。
『要望書 風紀委員会
生徒会室に一人しか居ないのですから、きちんと仕事してるんでしょうね?
ゲームとかしてたら……ふふふふふふ』
「すみませんでしたぁぁあああああ!!!!!」
誰も居ないのにとりあえず土下座しておく。この子たちエスパーですか!?え、風紀委員ってバ○ルてきな存在!?レベル7のエスパーとかいたりするのですか!?おっさんくさい女の子や関西弁のメガネっこや腹黒女子がいたりするのですか!?怖い!この委員会怖いよ!とりあえず準備しておいたコントローラーを片付ける。ふぅ……もしや見張られてるのか?なんて一抹の不安を抱きながら、次の要望書に行く。
『要望書 元生徒会のメンバー
あの人よりほんと、駄目な生徒会長だな』
「……………………」
分かってるよ、そんなこと。私はその要望書を四つ折りにたたんで、制服の胸ポケットにしまった。その人は名前を見ただけで正体が分かった。けど———。けど、ここでは証さない。その人との関わりも話せない。
「さぁ〜て、仕事終わり!!」
私は誰に言うこともなくつぶやくと、コントロールを手にとった。うん、一人の生徒会は寂しいけれど、たまにこうやって真面目に仕事をするのも悪くないかも。いつもだったらうるさくて仕事が出来ないけど……。
外から大多喜の声が聞こえた。他にも龍、蒼井、月島、暁の声も聞こえる。あいつらが生徒会室のドアを開けたら、今日もいつもの通り、何もしない生徒会が始まる。