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- Re: オタクな生徒会長は絶好調!?参照400突破 『番外編更新』 ( No.86 )
- 日時: 2011/06/25 11:15
- 名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: EISW2Oxw)
第30話『文化祭を青春の一枚とか言うけれど、非リア充の私にとっては違うのよ!!by会長』
「そういえば明日から期末試験ですよね」
「そうねぇ〜」
今日から7月に入った。一学期もあと3週間で終わりだ。そういう時期にさしかかったと言うことは、そう、テストが待っている。期末テストは中間より難しく、だいたいの生徒が成績が落ちるという傾向にある。俺もそのうちの一人なのだが、この生徒会は違う。なぜなら————
「俺以外全員成績上位者って、世の中は不公平だぁ……」
「何言ってんのよ」
終都は毎回十位以内には入るし、その終都に勉強を教わっている瑞樹も上の下ぐらいの成績。勇翔はサッカーバカかと思えば、以外と勉強は出来るらしく上位に食い込んでいる。龍先輩はつねに五位には入っているし、会長に限ってはもうハイレベルすぎる。ほぼ満点に近い点数をたたき出しては毎回一位になっている。そのことはもう他の学年にも知れ渡っていて、赤点成績者の勉強を見るのに各教室に借り出されるというのも、毎度のことだ。
「会長は良いですよねぇ。ゲームやってラノベ読んで妄想したりしているのに、なんでそんなに成績が良いんですか?」
「何でって……。そりゃ勉強しているからでしょう」
「龍先輩、会長っていつ勉強していれるんですか?」
「私はそこまでダメ人間じゃないわよ!!」
龍先輩は大好きな会長の話だからか、いつもより楽しそうに話し始めてくれた。
「俺が見ている限り、姉さんはいつも勉強してるよね」
「え、マジですか?」
「うん。俺が時々部屋に行って教えてもらおうかなって思うと、いつも参考書開いてるし」
「意外ですね……。ちなみに、どんな参考書ですか?」
「えーっと……たしか、ファ○通とかビー○ログとか」
「それって絶対違いますって!参考書は参考書ですけど、意味が違いますって!!」
予想はしてたけど!って、結局会長はテスト前でもゲームとかやってるんだな。
なのにどうしてあんなに成績が良いんだ?
「会長のオススメ勉強法とかあります?」
「オススメ?うーんと……」
会長はP○Pを机の上に置くと、俺の方に向き直った。
ちょっと真面目なトーンで言う。なんだかんだ言って、教えてくれるらしい。
「まぁ私の場合は普段の授業で事足りてるし」
「今さらっと俺を敵に回しませんでした?」
「強いて言うなら、休み時間ごとに予習復習よね。休み時間は10分あるのだから、前半5分は一時限目の復習。後半5分は二時限目の予習」
ほうほう。……ってじゃあいつ休んでるんだこの人は。つーか会長が意外と真面目だったと言うことに、じゃっかんのキャラぶれが見られるんだが。
「あとは暗記よね。暗記は10分やったら5分休憩とか」
「あー、それは良く聞きますよね」
「まぁね。ま、そんなところかしら」
会長はそれだけ言うと、再びゲームに戻った。しかし、何か言い忘れたことがあるのか、俺の方にもう一度向き直った。
「ちなみに私はゲームやりながら暗記するわ」
「それはある意味すごいな!つーか予想してたわ!!」
俺が最後の突っ込むと、今度こそゲームに戻った。
結局参考になったというか、最後のはまったく聞きたくなかったというか……。まぁ相変わらず会長はオタクだということは、再確認できた。というより、そろそろ本気でダメ人間海道まっしぐらだな。
俺は会長ではなく、普段しっかり勉強してそうな龍先輩に聞く。
「龍先輩はどんな勉強法してるんですか?」
「ん?俺?俺は姉さんと違って、家に帰ってもやることないから勉強するって感じかな?」「ああ、なるほど……。それじゃあ食事とか以外はほとんど勉強ですか?」
「まぁ、だいたいそんな感じかな」
やはり双子なのにまったく性格が違うらしい。龍先輩は爽やかな笑顔で答えてくれた。
それにしても、一日のほとんどを勉強に使うって……俺にはとうてい無理だな。
仕方なく、今度は同級生の勇翔に聞いてみる。
「勇翔は?って、お前は体育会系だよな」
「失礼だなぁ、俺だって勉強ぐらいするさ。現に毎回上位に入ってるし」
「まぁそれはそうだな」
「強いて言うなら、俺は体を動かしながら覚える」
「期待通りの回答ありがとう」
「俺のターン終了!?」
いや……ねぇ?期待通りって言うか、予想済みというか、普通というか……。
最近勇翔の存在が薄くなってきたというは禁句ね。一応本人もそれなりに気にしてるみたいだから。
今度は後輩連中に聞く。終都はよく瑞樹に勉強を教えているから、言い答えがもらえそう。
「終都はよく瑞樹に教えてるよな?どうやって?」
「僕は、覚えるまで体にたたき込んでいるだけです」
「お前のキャラはドSに決定だ!!」
ここで新たなキャラが生まれた!?っつーかだんだんそうじゃないかと思ってたけど!!
あえて言わなかったのは優しさなんだけども!!
その横では瑞樹が苦笑しながら、涙目で言う。
「終都は本当にスパルタで……。50問連続正解しないと次の問題に進めなかったり、単語100個覚えなければ参考書一冊増えるし……」
「うわっ。って言うか、それをほいほいと片付けられるキミはMかい?」
ここに来て、どうしてこの性格が正反対のこいつらが親友なのか分かった気がする。
って言うかすでにSとMのキャラが確定しつつある。
「はっ!新たなカップリングができt「それは言うな会長!!」———」
なんだか危険な言葉を発しそうになった会長を、勇翔が確実に仕留める。
あの人、本格的にあっちの道を突き進み始めたな……。