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Re: オタクな生徒会長は絶好調!?参照400突破 『番外編5更新』 ( No.89 )
日時: 2011/07/02 21:36
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: cwdkZwkQ)

第32話『テストの点数があまりよろしくない教科とよろしい教科に、必然的にかなりの差があったbyスレ主』

テストから一週間後。今日は書く学年の連絡掲示板に、点数と順位が発表される日だ。正直言って気が重い。生徒会のメンバーの役に立ったか分からないようなアドバイスで、俺の成績というか点数が上がるとも思えない。ちなみに、前回中間テストの総合点数は300点。まぁまぁじゃないかな……うん。一教科60点だったし。平均点60点だったし。とにかく、俺は学校に着くまでにずっと落ち着きませんでした。



「よう、颯人。今日はテストの点数が発表されるな」
「……気にしているのに、なんで言うんだよ」

学校の昇降口で、さっそく勇翔が声をかけてきた。それも今の俺の気持ちが晴れない元凶の話題で。もう少し気を遣ってくれないかなぁ。

「まぁ大丈夫だろ。今回も平均点で」
「それは大丈夫と言えるのか?」
「だって、クラスの良い点と悪い点の基準がお前だろ?『ねぇねぇ、点数どうだった?』『大多喜より上だった!』『大多喜越えてて良かったじゃん!』みたいな会話が日常茶飯事になる日も、そう遠くは無いんじゃないか?」
「その会話はなんかヤダ!俺が基準って言うのは、俺が平均的っていうのは納得しがたい!」
「ということで、さっそく順位見に行くか」
「この会話の流れで良く行けるなぁ!?」



———連絡掲示板———

ホームルームまであと10分前なのに、連絡掲示板の前には人だかりが出来ていた。まるで合格発表のような感じ。
その人だかりをわけて進むと、ようやく順位表にたどり着いた。とりあえず、真ん中の方の順位を見る。そしてようやく見つけた。

『100位  大多喜 颯人  245点』

………………。えと、どうしよう。これ、喜んで良いの?ど、どうしよう。
わ、わーい。100位ってとるの難しくない?そう思うと、俺ってすごくね?それに、前回より5点上がってるし。うん、俺頑張った!さぁ、褒め称えよ愚民ども———

「何勝手に寂しく威張り散らしてるんだよ」
「寂しい言うな!ああ、寂しくないさ。ちっともな!」
「涙目で言っても説得力無いな、おい」
「だって、100位だぞ!すごくないか?この学年200人居るから、ちょうど真ん中だぞ!!」
「なぁ颯人」
「ん?なんだ?」
「……その言い訳、虚しくないか?」

…………ち、ちくしょう!!なんで、なんで俺は平均的なんだよ!!
特に秀でてる物なんて、無いじゃないか!

「それがお前の個性」
「うっさい!!お前は点数どうなんだよ!」
「12位」
「…………へ?」

あ、あれぇ?お、おかしいなぁ。なんだか俺より88位も上の順位が聞こえたような……。うん、気のせいだよな!気のせいにしておこう!

「おい、現実逃避するなよ」
「し、してない!とにかく、俺よりすぐれていると言うことは分かった。うん、そうだよな。最近影が薄くなってきているのに、ここで俺より順位が下とかだったら、もっと忘れ去られるよな」
「嫉妬か?それともただ俺に八つ当たりしているだけか、おい」

俺は一人でぶつくさ言っている勇翔を置いて、教室へと向かった。
……ど、どうしよう。俺の無能っぷりが世間に露見してきたぞ。



———昼休み———
「はぁ……」
「おいおい、どうした颯人。ものすごく暗い顔をして」
「いや……な。俺は平凡こそが一番と思っていたけど……違ったんだな」
「なんだか戯れ言はさておき、あれだな。テストの点数で自暴自棄になってるんだな」

クラスメイトで、俺よりも平凡だと思う山田が言う。ちくしょう、反論が出来ない。
今回のテストで平均点以下だった人は、昼休み自習。俺も自習。点数的にも順位的にも余裕の勇翔は、昼休み開始のチャイムと同時にサッカーをやるために校庭へかけていった。……人の勉強を見てくれそうな性格でもないな、あいつは。
俺が恨めしく校庭を見ていると、女子達がどこからか帰ってきた。しかも、いくらか頬を紅潮させている。何があったんだ?

「それにしても、本当に会長さんはあったま良いよねぇ〜」
「うんうん!私、思わず天才!って叫んじゃった♪」
「それに、やる気のない人なのかな?って思ってたけど、私たちの質問一つ一つにちゃんと答えてくれるし」
「素敵だよねぇ。ああ、私百合に目覚めそう!」
「やっだぁ〜。……あ、でもそっち属性とか意外とアリ……かなぁ」
「ちょっと、何よ二人とも。だったら私は会長さんの事、お姉様って呼んじゃう♪」
「「えぇ〜。ずる〜い」」

…………こ、これは……聞いてる方はとても気まずいと言うことを知っているのだろうか?しかし、その会話を聞いて俺はひらめいた。会長……か。よし、会長の所に行って勉強を教えてもらおう。ついでに、会長は普段どんなキャラで生徒に接しているのか、確かめに行ってこよう。