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Re: オタクな生徒会長は絶好調!?『コメ求む><番外編6更新』 ( No.94 )
日時: 2011/07/13 21:10
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: LA3FDWTf)

第33話『最近自分が腐女子じゃね?と思ってきたけれど、なんとか理性を保つようにしているのは、友達にも相談できない』

会長のクラスにやってくると、さっそく黒山の人だかりが出来ていた。おお、やっぱりテスト前後に会長を頼るというのは、本当だったんだな。

———3−A———
「お姉様!今回も私の個人指導をしてくれると約束したではありませんか!」
「そんなのした覚えは無いのだけれど」
「まぁ、お姉様ったら……。私に冷たく返すけれど、本心では『もう、仕方ないわね春姫ったあら♪』って思っているのでしょう?」
「うん、私はあんたの脳内でどんなキャラなのかしらね」
「酷いですわ……。私が……私がお姉様のことを脳内であんなことやこんなことをしているって、分かっているくせに!!」
「どうしてそういう返しが来るのか、はっきり言って分からないわ!!」

な、なんだかいろんな意味で入りづらい雰囲気だった。黒山の人だかりを分けて進むと、黒板の前の椅子に座っている会長を見つけた。そして、その横から女子特有……というか、アニメ声の女子がぴょんぴょんと跳ねている。

「あのさ、春姫。今はいろんな人に勉強を教えているから、ちょっとどいてくれない?」
「では私にも教えてください、お姉様。主に保健体育を中心に」
「誰かこの変態をつまみ出して!!」

俺は数少ない脳内の引き出しから、彼女の名前を引っ張り出す。たしか……隣のクラス2−C の桜田春姫さん。珍しい名前だから覚えていたのだけど……まさか百合趣味だったとは思わなかった。
 すると、会長が俺に気づいて目配せをする。どうやらヘルプらしい。

「大多喜……た、助けて……」
「会長、心中お察しします」
「ちょっと、なんなんですのこの男。お姉様とアイコンタクトをするなんて。許しませんわ!」

すると、案の定。桜田さんも話しに入ってきた。周りの野次馬達も、そろそろこの光景に見飽きたのかさっさと自分の教室や机に戻っていく。たちまち黒板の前には俺と会長と桜田さんだけになった。俺は二人の近くに行く。すると、桜田さんが悲鳴を上げた。

「ちょっと、お姉様に近寄らないでくださいませ!!このけだもの!」
「け、けだもの……?」

初対面なのに酷くないか?今度はこっちからヘルプの信号を会長に送ると、し〜らないって感じに目をそらされた。う、裏切り者!

「お姉様の半径1メートル以内に近づいたら、許しませんわよ」
「いや、半径1メートル以内って……同じ生徒会に居る限り、絶対無理だろ」
「こ、こんなのが生徒会役員ですの!?し、信じられませんわ。こんな平凡という言葉が一番似合っているこいつが、お姉様と同じ生徒会役員!?」

俺、本当にさんざんな言われようだな。さすがに見かねたのか、会長が俺の紹介をしてくれる。

「春姫、こいつは生徒会副会長の大多喜颯人。あんたと同じ2年よ」
「あら、そうなんですの?影が薄くて知りませんわ。私、お姉様以外の人は赤の他人同然ですの」

それは……うすうす気づいてました。って言うか、本当にこの人は会長以外の人は目に入らないらしい。会長のクラスメイトさん達が興味津々の目で見ているけれど、その目に全く動じない。

「とにかく、お姉様と愛をはぐくんでいる最中ですの。邪魔しないでいただける?」
「誰もはぐくんでいないし」
「またまたぁ。お姉様ったら……。春姫の気持ち、知ってるく・せ・に♪」

…………。なんか、あれだな。入り込む隙がないって言うか、本来の目的忘れたというか……。俺は抜き足差し足で、会長に気づかれないように3−Aの教室を後にしたのだった。