コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜 【初企画始動】 ( No.149 )
- 日時: 2011/03/31 02:29
- 名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)
一日飛んで 〜バレンタイン当日〜
創立記念日を越して、ようやくのバレンタイン当日。宮西第二中学校カップル伝説が、今年も幕をあけることとなった。
昨日俺は・・・愛の家に泊まった。いや、昨日だけではない。二日連続で愛の家に泊まった。愛のご家族は俺たちのことを温かい目で見ていて、年頃の男女が一緒の部屋で寝るというのにそんなのはお構い無しのご様子で、二日間を過ごさせていただいた。
その間に、俺は愛が西島を嫌がる理由とか、それを散々聞かされた。その間にも愛はどうしてか、胡坐をかいて座っている俺の上に座って、真正面から抱きついていたりしたのだが・・・うーん、今思えば、そけは西島の嫌な思いを紛らわすために、わざと恥ずかしいことでもしていたんだろうな、うん。
俺は、愛の愚痴、愛が西島をどうおもっているか、これから学校生活をどう送って生きたいのか・・・そして、西島の脅しに屈するか屈さないか聞いた後———決意した。俺は久しぶりに、主人公になってやると。なまりきったこの体を———本気で動かしてやると、そう決意した。
俺は朝、教室ので自分の机に座りながら、空手をやめる原因となった、腿の腱をさするようにたしかめる。まだ、思い切り走ったり、ふざけすぎて変な行動をしたりしていると痛むことはある。だけど、こんな痛みはいまは関係ない。期間限定で主人公に再びなった俺は、空手をやめる原因なんかは、気にしない。俺の今主人公になっている意味は・・・愛のバレンタインを、絶対に成功させる。それだけだから———。
あの後、愛は結局好きな人のことを教えてくれなかった。教えてくれさえすれば俺がいくらでも支援するというのに、愛は俺の顔を恥ずかしそうにチラチラとみるばかりで、答えてくれそうになかった。だから俺はむずがゆく思いながらもしょうがないな、と思い、今に至っている。当然のように今日は愛と一緒に登校して、最後の最後まで愛に安心させようと、手をつないで登校してきた。そのことから、いろいろな、なにも事情を知らないやつらはなにか勘違いしているらしかったのだが、愛はもうずいぶんと落ち着いたらしく、机で本を読んでいる。そういえば、昨日愛は俺のことを部屋に十時間ぐらい独りぼっちにさせてとじこめてチョコを作ったらしい。なぜ俺を閉じ込めるのかと問いただしたが、結局は聞けずじまいだったな・・・愛は一体、どんなチョコを作って、誰に渡すんだろうな?
前のように・・・ちょっとばかし昌子のことが好きになった、その瞬間に彼氏を紹介されて、俺はひどくあぶない状況になり、今現在は自分から昌子をさけてしまっている今の状況にならないように・・・俺は昨日のうちに心を固めたはずだ。だからそのことは心配する必要は無い。来たるべくして来る昼休みにそなえて・・・愛が西島の脅しに屈しないで、西島の教室に行かないその時間に、俺はあいつをぶん殴る。喧嘩なんて、それはもう空手をやめていらいやっていない。だけど、いざとなったら俺は・・・俺は———あの感覚を、空手をやっていたときの感覚を思い出して———戦おう。争いごとが嫌いな愛には一言もこのことを言っていない。いってしまったら勿論愛は止めるだろう。だけど、そうなってはならない。だから俺は———あることを歩に伝えている。
・・・当然のように、歩はこのことを知っている。俺は昨日のうち、暇な十時間の間に歩にすべてを打ち明けている。愛も当然歩に話といて欲しいといっていたし、友達として、このことを俺も歩に伝えないわけには行かなかった。
歩は最初こそ怒り、俺のことをなんで早く相談してくれなかったんだと罵ったが、すぐに俺の声色が違うことに気がついたのか、黙って俺の作戦を聞いてくれた。・・・そう、歩に、俺はすべてをまかせている。昼休み、西島にバレないように愛を———図書室に連れて行って欲しい、と。当然歩はおーけーをだした。本当を歩も西島を殴りたいと思っているのだろうが、まずは愛のほうが大切だと思ったのか、ちゃんと誓ってくれた。絶対に西島にバレないようにつれだしてくれると。・・・体格の差がものすごい歩と愛だけれども、当然のように、二人は互いのことを友達として、大切に思っているのだろう。
・・・ってあー、やばい、俺昌子にも麗帆にも歩用のチョコを用意してくれなんていってなかったわ・・・すまん、歩、このつけはいつかかならず返す・・・。
一人の少女の人生をかけた、真剣な話だというのに、どこか余裕な俺は、学校のチャイムの音を聞きながら、時計を普段よりも鋭くした目で睨みつけるのだった。