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Re: 【紅の魔術師】※オリキャラ募集 ( No.18 )
日時: 2011/01/24 16:53
名前: だいこん大魔法 (ID: AEu.ecsA)

それは俺が空手をやめる原因となった、足の腱が元にもどったということをしめしている。なぜそんなことになっているのか?そんな疑問が頭の中にうかびあがってくるが、すぐにそれは、なにが原因で、いや違う、なんのおかげで治ったのか、わかった。

「・・・契約の力を開放したときに、俺の体の中にあった異常な物が、すべて治ったのか?」

契約の力を解放したときに感じたあの痛み・・・ここからは予想だが、あれは俺の体の中の異常をエルの力がいっせいに直したから感じたものなのかもしれない。契約の力を解放したのはいいもののどうやって魔法を使えばいいか分からない今、それはとてもありがたかった。
若干なまっているかもしれないが、俺は昔空手でいい線までいっていたのだ。今体は非常に軽く、スキップをして空を飛べそうな気分になるほどだ。もし、魔法が使えない今敵が、エルがさきほど屋上で話した≪企業≫と≪機関≫の連中がおそってきたとしても、エルが魔法を唱えるまでの時間稼ぎはできるだろう。
よし、とうなずいた俺は、床に倒れている中西の様子を伺う。中西はうぅ・・・とうめきながら立ち上がろうとしているが、まだ立ち上が
るまで時間かかるだろう。そう予想した俺は辺りの声に耳をすませる。すると「なぁ、今の鎖牙の動き、すごくなかったか?」とか「うそうそ、鎖牙君って喧嘩強かったの?」とか「大口叩いているワリには一発でKOしてやがるぜ・・・かっこわりぃ」とか「ねぇねぇ、竜貴さんって彼氏とかいるの?」とか「竜貴さんの髪の毛って綺麗だよねー」とか「どんなシャンプー使ってるのー?」・・・っておい。転校生の周りに集まっていた一部の生徒がこっちを見ているからって、なに人がいない、今がチャンス!!てきな感じで質問続けてんだよ。お前ら完全に空気読めてないだろ・・・っていや、違うな、この場合俺と中西のほうが完全に空気読めてないわ。

「・・・やろう、俺に手ぇだしたな?いい度胸じゃねぇか。先輩に頼んで族に襲わせてやる!!」

フラフラと立ち上がった中西は、俺のことを真っ直ぐとみながらそんなことをいう。・・・族、族ねぇ。たしかに、そっちも平凡とは程遠い世界なんだろうけど、なんかなぁ・・・ちっとも怖いとは思わないんだよね。いや違うぞ?俺の感覚が狂っているとかそんなことはない。
ただなんか・・・力の解放のおかげで、なんだかいままでの数倍以上俺個人の能力が上がっちまっているんだよね。バイクをブンブンしながらバッドを振り回す暴走族に囲まれてもたぶん、一、二発ぐらいしかダメージをくらわないであっさりと倒せるだろ。
その証拠といってはあれだが、さきほどの俺の動きだ。中西が俺の机を蹴り上げようとしたときのあれだ。あれの場合、俺の反応は遅かった。中西が蹴りを放ってすぐに反応したのはいいが、その間にも俺は蹴り上げられたらどんな悲劇がおこるかの至高をめぐらせている。だから、中西が蹴りを放ってからだいたい俺が動き出したのは0、5秒後だ。常人が喧嘩慣れしている不良の0、5秒後に動き出したところで、それは絶対に間に合わない。なのに俺は、普通に立ち上がり、蹴りを放ち、中西の足をはじき、さらに一瞬にして足払いをかけたのだ。もはやこれが常人の動きといえるのだろうか?
ま・・・そんな感じで、今更族とかいわれても怖くないわけだ。自分の力を過信しているわけではないが。一つの暴走族をつぶすぐらいなんて、たぶん簡単だ。
前までの、記憶が戻る前までの俺ならちびりながら、泣きべそをかきながら中西にごめんなさいもうしませんと謝っていたところだろう。
それもしょうがないよな・・・平凡じゃない世界に、なんの意味もなく巻き込まれたくないしな。