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- Re: Erret Crimson〜紅蓮の契約者〜一話エピローグ ( No.187 )
- 日時: 2011/06/17 22:06
- 名前: だいこん大魔法 (ID: OkVLMN/u)
「ねぇー!!ゆーうーすーけぇー!!今日も一緒に学校いこうよぉ!!」
「だから窓に石をなげんじゃねええぇぇ!!」
そういいながら、さっきからゴツンゴツンいっていて、ちょっともうこのガラスやばいぞ?的状態になりそうだった窓を思い切りあけて、さらにまだ弱いが、日光の光に一瞬クラッとなった頭を抑えると、その瞬間に石が俺の額にぶつかり、頭痛を覚える。
・・・なんかこのやりとり、前にもやったような気がしないでもないが・・・まぁいいさ。
朝、かわいい幼馴染に起こされるっていうのは、どんな男子でも一度は憧れるシチュエーションだろうな。いや、かわいい幼馴染にかぎっての話ではない。かわいい女の子に起こされるって言うのは、どんな男子でも一度は妄想したことのあるシチュエーションだと思う。だけども、それは別にうらやましいものでもなんでもない。前にもなんかこんなことをいって自分で墓穴をほったような気がしないでもないが、まぁ大切なことなのでもう一度いってやる。朝、かわいい幼馴染が自分を起こしたりするシチュエーション・・・それは、別にうらやましかったりするものでもなんでもない。逆に、かわいい幼馴染がいなくて、親に普通におこされるっていう、普通過ぎるシチュエーションのほうに、憧れを抱いたりもするほどだ。なぜかというとだな・・・
「あっ・・・ご、ごめんなさい!!」
そのかわいい幼馴染のほうは、ちっとも俺のことを考えていないから。そのかわいい幼馴染は俺のことをまったく考えていない、つまり、男として見ていないという事実があるからだ。まぁ?俺もあいつのことを女としては見ていないが、そんなこというなら俺とその立場を変れよとかいわれそうだから、よしておくとするよ、うん。
前に、昌子はなんか変な争いをしていらい、昌子のほうから俺をさけている雰囲気ではあったのだが、なぜか昌子は・・・あの事件、【氷翼の魔術師】がエルのことを襲いに来てから一週間たった今日、一緒に学校に行こうと言い出してきやがった。
・・・ま、あの一週間は、彼氏と別れたことによるショックで立ち直れなかっただけ、というふうに解釈できるが・・・如何せん、俺のほうはあまりのり気ではなかった。
べつに、エルがいるから昌子とは学校にいけない、というわけではない。エルはエルで、別に彼女なわけじゃないし、俺と結婚しているわけでもない。学校生活を送るに置いて、魔術師のほうの常識である、【契約】はこのさいおいておくとして、エルと俺は、ただの知り合いでしかないわけだ。だから、それを断る理由にもできないし、でも、エルはいつまた魔術師に襲われるか分からない。だからこそ、俺は———朝早くからおきて、エルが住んでいるマンションの前にいってから、学校に向かおうと思っていたんだけどな・・・。
当然の如く、ヘタレである以前に魔術師とかそういったたぐいのものを表には出せないため、いえないからそれまたもう・・・もどかしいかぎりなんだがな。
ま・・・そんなこんなで断る理由をいえないわけだ。グレンと戦うことによってうけた傷だって、エルとリーの必死の処置ですっかり治ってしまっているし、むしろ、グレンと戦う以前よりも体が元気になっているわけだし、学校を休もうとも思えない。だから俺は・・・しょうがなく、本当にしょうがなく
「あーあー・・・わかったよ、いってやるからちょっとまっとけ」
と、適当にいってやる。別に昌子と学校にいきたいわけではない。それはまぁ長年の付き合いだし、これくらいのことは普通だけども・・・ま、こっちの事情ってものを考えて欲しいね。グレンとの戦いの余響だろうか、昌子のことをまったく気にしていなかった俺だけど、実をいえば俺は・・・まだ昌子と、顔をあわせたいとは思っていなかった。
だってよ・・・あんなヒーロー気取りしちゃってさ・・・ああ恥ずかしい・・・!!
それをいったら、エルにたいしても言える言葉なんだろうけど・・・まぁ、この際そんなことはどうでもいい。エルには昔助けてもらっていた恩があるし、これでチャラになったとも思えないけど、まぁあの事件のおかげで少しは俺がエルに対して抱いていた感情の一つである、申し訳ない、という気持ちが薄らいだような気がするからな。
・・・ま、そんなことをいってしまえば?俺はリーに対してなんの償いもしていないし、なんというか、あの事件以来リーが若干不機嫌っぽいのだ。ていうか、俺とエルがなんか話しをしていると必ず俺に抱きついてきてエルのことを睨んだりとか・・・ま、どういった理由でエルと喧嘩しているかなんてしらないけど、早くリーと一緒に遊んだりなんだりしてやらないとな。・・・俺のせいで、深い孤独を味あわせてしまったようなものだしな。