コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.25 )
- 日時: 2011/01/31 00:33
- 名前: だいこん大魔法 (ID: AEu.ecsA)
「ふーん・・・それじゃぁ、明日には【紅の魔術師】を潰しに行くんだね」
再び、撤去予定のたっているマンションの一室で、一人の幼い女の子声が鳴る。その声は誰かに話しかけているようで、その証拠に、一人の男の声がその後に返ってくる。
「おうよ。俺が【紅の魔術師】を殺して≪企業≫におくりつけたらこの依頼ももう終わりだ。お前と俺のコンビはとっとと解散ってになるな」
その男は、さきほどの少女にむかってそう言い返す。その声は、さきほど機械的な声と話していた男と同じで、名前はグエン・ユーリッドという。
実をいうところ、彼らは≪企業≫という組織の人間ではない。≪企業≫という組織に雇われている、世の中でも珍しい【魔術師】または【魔法使い】があつまって出来た組織、【魔術結社】から選び抜かれた人材なのだ。
その片方の少女は、喜びを隠し切れないといったふうな口調で、男にむかっていう。
「やっとあんたとコンビ解散できると思うとすごくうれしいわ」
「ハッ、こっちもお前みたいな馬鹿女と一緒なんてごめんだ。今からでも【紅の魔術師】を殺して≪企業≫に送ってこの契約を終わらせたいぐらいだ」
少女の言葉に男も反応する。男は少女のことをこと馬鹿にするような態度でそういって、ゲラゲラと下品な笑いかたで笑う。そのことに少女は腹を立てたのか、部屋においてあるテーブルに思い切り拳をたたきつける。
「いい度胸だねっ。ボクを怒らせるとどういうことになるか、わかっててそんな言葉ぬかしてるの?」
その少女の言葉をきっかけに、部屋の中に殺気が充満する。殺伐とした雰囲気が生まれ、今にでも一発触発するんじゃないかと思うほどに重い空気となった。だがしかし、そんなことを無視して、男は再びゲラゲラと笑う。
「はっ、【孤独の人形師】風情が俺にどうこうできると思っているのか?冗談じゃない」
その言葉に再び少女は怒りを露にする。胸にかかえている人形を力強く抱きしめ、【魔法】を発動し始める。だが男のほうはそれに気がつかず、少女を馬鹿にしたような言葉を吐き続ける。
「結社の中でもとくに問題児のお前・・・リーナ・ディゼアが、天才の俺とコンビを組むこと事態がそもそもおかしかったんだよ。俺にふさわしいのはお前のような根が暗くていっつも一人で人形と会話しているようなきもいやつじゃないんだよ!!」
「—————Hukkamoistu need nukud 丑 Ki—————『醜きものに人形達の裁きを』」
男の言葉が終わったと思った瞬間、少女が英語とも違う、どこの言葉かわからない言葉を小さく呟く。それに男はいち早く反応して、少女から離れるために一気に後ろに跳躍する。幸い天井が高いため男は頭をぶつけることなく少女から距離をとることに成功した。
だが、男の額には汗が浮かんでいた。なぜなら、さきほどまで男が立っていた場所にはどこから現れたか分からない、手にもった日本刀以外は可愛らしい天使の姿をした人形が、刀を横薙ぎに一閃していたからだ。
禍々しい光をはなつ刀をみて、男は怒らせすぎたな・・・と少し反省する。だが、こうなった以上、【孤独の人形師】はとめることができない。≪結社≫に登録されている情報をみるかぎりこいつは人と接することが全然なかった。そのために感情をどうやって抑えるかわからないという。だから、ここは自分の命の保障のために、男は一つの提案をだした。
「【孤独の人形師】リーナ・ディゼア、・・・一つだけ提案がある」
「・・・なに?」
少女はその男の言葉に聞く耳をもったようだった。日本刀をもった、少女の体の半分ぐらいしかない天使の人形を自分のわきにもどしてくれたことに男は安堵しながらいう。
「今回のこの件。【紅の魔術師】の殺害のことについてだ。これはお前が情報をあつめ、俺が実戦を行うということになっていたが・・・、それはなしだ」
「・・・どういうこと?」
「つまりだ。どちらが先に【紅の魔術師】を殺すか競争しようってわけだ。この俺【氷翼の魔術師】が勝てば今回の報酬のすべて頂く。そのかわりお前が勝てば、俺と同じ条件になり、報酬をすべて譲ってやる。・・・どうだ?」
男は少女の様子をうかがう。この少女はおそらく見た感じで、服が好きなのだ。契約期間中に男は、少女が同じ格好をしているところを見たことが無かった。それはつまり、何着も服をもっていて、同じ服はもう着ないということだ。だったら、その新しいファッションを考えるためにも少女には金が必要なはずだ。————と、男は考えている。