コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.39 )
- 日時: 2011/01/29 11:56
- 名前: だいこん大魔法 (ID: AEu.ecsA)
「・・・誰もそんなこと思ってないだろ」
さらに水色の髪の少女がいうと、影にかくれている少女がボソリという。だがその言葉は誰にも聞かれることは無く、そのうえはずれていた。
真ん中の椅子に座って足をプランプランとさせていたルミが、水色の髪の毛の少女のほうを物欲しそうに見つめていたのだ。その瞳は真っ直ぐにポテチ・薄塩味に注がれており、口元からはよだれ的な何かがたれてきている。
「レ、レイ・・・それ、ほしい」
腕をふらふらと伸ばし、レイと言われた少女にポテチをくれという。しかし、レイはポテチを隠すようにして身をよじり、意地悪そうな顔をしてルミを見る。
「あげないよ〜だ!!これはアタイのだ!!」
「う〜!!」
意地悪をそれたことに腹を立てたルミが、椅子から立ち上がり、隅っこにいるレイに飛び掛る。レイはギャーとか女の子が上げるにしてはちょっと品の無い悲鳴をあげながら転がる。転がったことによってルミの攻撃を避けたはいいものの、その転がった先は運悪く、帽子を被った少女が使っていた机にぶつかり、なにかを書いていた少女のペンが大きくズレる。それに気がついたルミは顔を青ざめさせ、レイは恐怖に顔をゆがめる。影に隠れている少女は頭を抱えてため息をつく。
「・・・ローラ。ここで怒ったら大人気ないぞ?」
そしてそんなことをいう。ローラと呼ばれたのはもちろん帽子を被っている少女のことで、ローラは肩をあからさまに震わせながら、普段とは段違いになっている鋭い瞳をレイにむけて一瞥した後、なんとか怒りを抑えたようで、脱力しながら消しゴムをとりだし、そのペンの後を消し始める。
「・・・今この気配の位置捜索をしているから、邪魔しないで」
「は、はいな」
だが声にはまだ怒りがこもっていたらしく、返事をしたルミの声は若干震え上がっていた。
そんなことにはまったく興味がないローラは、この町の、宮坂の地図と思わしきものにペンを当てていた。それは地図帳とかいうものなのだろうか、この宮坂以外の地図がほかのページにも記されているようだった。ローラは地図の上に『気配』という言葉を書いた後に、一度地図全体を見る。全体をみるのは———【魔法】を使ったときに、どこに変化があるかわかるようにするための、暗記だ。
「・・・Per shembull ju na tregoi dhe pronari i fuqise se shpejti『我らと同じき力の持ち主を示したまえ』」
その言葉は、英語でもロシア語でもない、どこの言葉かわからない言語。その言葉を静かに、ローラは呟く。すると、その言葉に反応したかのように、地図帳の上に書かれていた『気配』という言葉が凝縮されていき、一つの小さな点になる。それが宮坂の地図一面を駆け回ったかと思うと、次の瞬間には、あるひとつの場所で動きを止めていた。その光景を、なんの不思議もなく見ていた三人も、その場所の位置を把握する。そう・・・その場所こそ———
「・・・場所は宮西高校の屋上。気配の正体は・・・世界的魔術犯罪者『紅の魔術師』」
その言葉は淡々としていた・・・。だがしかし、その言葉のどこかには恐怖というよりも、どこか———どこか懐かしさとうれしさが混じっていた。
そう・・・それは、『紅の魔術師』と『紅蓮の契約者』の場所を示していたのだ。
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「夜光の力が完全開放される夜・・・七時に彼女を迎えにいこう。私達の・・・恩人を」