コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.54 )
- 日時: 2011/02/02 17:51
- 名前: だいこん大魔法 (ID: AEu.ecsA)
「さあ・・・喰らい潰せ、【悪魔の食卓】」
その声が放たれた瞬間、その髑髏が笑い、俺のほうに飛んでくる。大きさは大体・・・、大型の車なみの大きさで、近づくにつれさらに俺の恐怖と嫌悪感と不快感は大きくなっていった。それと同時に———エルに誓った約束、『お前を絶対に守る』という約束を思い出していた———
そうだ・・・、俺はこんな炎なんかにやられてはいけない。ガンガンと大きな音でひびく警告を無視しながら、俺は飛んでくる髑髏を睨みつける。拳に力をこめて、この炎を打ち砕く力を俺にくれ・・・と頭の中で何度も何度も反芻する。髑髏が俺の目の前まで迫る。不快感を思わせる気持ち悪い口を開き、漆黒の炎を撒き散らしながら俺のことを一気に飲み込もうとしたそのとき———ひとつの言葉が俺の頭の中に響いた。
そして俺はその言葉を口にする。新しくできた【魔法】を、発動する。それに髑髏を打ち砕くほどの力がなければ俺は死ぬ。確実に死ぬ。
そうわかっているからこそ・・・、俺は今思い浮かんだ、二つ目の魔法にすべてを託したのだ。
「———この『髑髏』を打ち砕く!!World shkaterrimin zjarr i madh ne dore, ne zjarr dore, ne te gjithe e hani!!『劫火を手に、業火を手に、我は全てを喰らう』」
俺の右手に深い紅蓮の炎がまとう。俺の左手に静かな深紅の炎が宿る。それは俺の腕全体を覆いつくし、まるでガントレットのようになった。俺はそれを確認せずに右腕を振るう。それはあまりにも速く、俺が自分でも驚くほどに早くふられ、炎の軌跡を残しながら髑髏の漆黒の炎にふれる。ふれた瞬間それは爆発し、髑髏の炎の半分が消える。俺は煙が目にはいるのをお構い無しに、左手も振るう。左手は残像を残しながら、残り半分になった髑髏を食いつぶす。爆発することなく消えた半分の髑髏は左手の炎に吸い取られ、俺の左腕の炎はさらに量をました。
『イフリートティア』それがこの【魔法】だった。右手には触れたものすべてを爆発させる炎が宿り、左腕には全てを食いつぶす炎が宿る。
それが腕に宿れば俺の身体能力は極限まで上がる上に、左腕で何かを喰らえばさらに身体能力を高めることが出来る。・・・はっきりいって、二つ目の技にしては強すぎるな、と思う。
ローラの顔が驚きに歪む。といっても、無表情だからちゃんと確認となければその変化はわからない。俺は両腕に宿る炎を一度しまい、次の技がきたらすぐに出せるようにする。どうやら、『イフリートティア』はおおよそ十分間の間なら唱えることなく出したりしまったりすることができるようだった。
「・・・【悪魔の食卓】が破れるほどの力の持ち主だったとは、やはり私の、計算違い。ここは本気を———」
だす、とローラが言おうとした瞬間、不気味な空間を作り上げていた結界が倒壊していく。それを俺とローラとルミが驚いた表情で見る。
それはガラガラと上のほうからガラスが割れるかのようにして崩れ去り、すっかり暗くなった空と月と星が見え始める。一体誰が、と一瞬俺は思ったが、ここの学校に用事があって、その上さらに結界を破れるほどの力の持ち主といったら・・・今だ俺は一人しかしらない。
「裕介!!大丈夫!?」
と、突然屋上の入り口のドアが開かれる。そこにはセーラー服をきた本物の天使のような・・・、美しく可憐で、妖艶な雰囲気をまとう、小柄で深紅の髪の毛をもつ———エルがいた。
そしてまた、ローラとルミの目が驚愕にひらかれる。それは傍目から見てもわかるほどら、おおきな変化だった。
「エル!」
俺はそう叫びながら、『イフリートティア』の継続効果である身体能力上昇を利用して一気に跳躍して、エルのところまでいく。だが、エルはドアをあけて俺の名前を叫んだ後、ローラたちをみて・・・固まったままだった。
俺はエルの隣にたつと、どうした?と聞く。だがエルは、どこか懐かしそうに・・・、久しぶりに会った『友人』を見るかのような目で、ローラとルミのことを見たままだった。
それに疑問を抱いた瞬間に・・・ローラが突然、恭しい態度に変わり、エルに『頭をさげた』
「『紅の魔術師エルシャロンさま』・・・お久しぶりです」
「うん・・・本当に久しぶり『ローラ・ティンクルバート』」
そして、そう名前を呼び合った。