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Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.59 )
日時: 2011/03/28 05:06
名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)

「そう、俗に言われる『例外魔術師』です」

例外魔術師。それは属性に縛られること無く、自由自在にいろいろな属性の魔法を使うことが出来る。それ以外にも、なにか物を動かす魔法であったり、なにか物を作り出す魔法であったりもする。俺がローラと戦ったときに・・・、ローラが使っていたものは———本だ。ローラが魔法を【詠唱】した後に、本から紫色の炎が本から噴出した。最初はどういうことかわからなかったが、そういうことならば、つじつまが合う。だが・・・、本と魔法、その二つがどのようにつながっているのか、それがわからない。

「お前は俺と戦ってたときに、『本』から魔法をだしてたな」

「はい、【能力】を人に教えるということはつまり、自分の身を危険にさらす、という意味があるのですが、あなたは私達の信頼する、最高の魔術師であるエルシャロンさまの愛しの人・・・。つまりあなたも信頼に値します。ですから特別に教えましょう・・・ですがこれは約束です」

「ん?」

その瞬間、ローラが無表情を一転させ、困ったように眉を下げ、上目遣いに俺のことを見てくる。それに俺は、なんで女の子の上目遣いはこんなに強烈的なんだよこんちくしょうとかわけのわからないことを頭の中で思いながら、聞き返した。

「あの・・・絶対に、【魔術師】に教えないでくださいね?」

「あ・・・ああ、教えない。約束する」

「もしも約束をやぶったら、今度こそあなたを確実にしとめます」

「・・・ああ、あの時もやっぱり俺のこと殺すつもりだったんだ」

俺はげんなりしながら歩みを進める。まだちょっとしか歩いていないが、歩く、という概念がある時点で、この『世界』は人間界・・・つまり俺たちのいるところとあまり変わらないのだろう。ああ・・・てたかまた思っちまったよ。ていうか何度でも思ってやるよ、俺は確実に・・・日常からかけはなれたなってな。

「んで、お前の【能力】ってのはなんだ?」

「はい、私の能力は、【本を操る力】」

「・・・は?」

「具体的に言えば、本の内容、文字、絵、などを現実世界に具現化させる能力です。ですがそれにも一応限りがあります。たとえば、具体的な形をもつ人間の文字や絵、動物・・・すべてまとめて生物などはだすことができません。ですが、神話や龍・・・この世界にあったかもわからない、具体的な例が無いものは、【魔法】として扱うことが出来るのです。それをだすためには———、この内容、記述が書かれている、【本】を使わなければなりません」

「うーん・・・つまり?この世界に観測されている生物とかはだすことができなくとも、神話の———神とか悪魔とか天使とか、あと伝説上の生き物である龍とか、その人間の空想で生み出された生物の記述が書かれている本に魔力を注げば、それを発動することが出来ると」

「はい、もっと具体的にいいますと、神話の場合【悪魔の炎】【神の裁き】【天使の微笑み】などがあります。それらの記述や絵が書かれているだけでも、私の想像力の中に魔力を注ぎ込めば出すことが出来ます。鎖牙さまに使用した【悪魔の食卓】なんかもその類のものです。日本伝説なんかでいうと【八百万の神】なんかもいますが、それらも絵などがあれば私の想像力に魔力を注ぎ込めば出すことができ、さらにその一つ一つの神がもつであろう力もだすことができます。それらはもちろん属性に囚われることの無い、炎、雷、その他諸々の属性数多くを使用することができます」

「・・・圧倒的すぎるな」

「はい、自慢ではないのですが、私の【能力】は、想像力と本の量によって強くなっていきます」

つまり、だ。こいつは世界中から本をあつめれば、それなりの力をもつ魔術師になることができる、というわけだ。想像力を高めるには勉強もしなければならないのだろうし、俺と戦ったときのあれはまだ本気ではなかったのだから、頭ももちろんいいのだろう。なら———

「お前はエルよりも強いのか?」

俺は、『世界』の説明よりも、まずそれが聞きたくなった。本の量と自身の想像力で強くなるローラは、エルよりも強いのか?
だがローラは・・・、どこか優しげな笑みをうかべながら、俺たちの前でルミたちと戯れるエルのことを見て、こういったのだ。

「・・・いえ、私の力は、エルシャロンさまに遠く及びません。彼女は≪企業≫からも≪機関≫からもおそれられる『紅の魔術師』。その劫火に触れたものは空気であろうと関係なしに燃えつきるいわれています。・・・エルシャロンさまが鎖牙さまに話していないのであれば、『あのこと』を話すのはやめてやめておきますが、エルシャロンさまの力は・・・『神をも凌駕しているといえます』」