コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【紅蓮の契約者】※オリキャラ募集 ( No.62 )
- 日時: 2011/03/28 05:08
- 名前: だいこん大魔法 (ID: IZus4UZf)
時刻は八時五十二分、俺たちがローラたちの家・・・、つまり幽霊屋敷についてから、もうけっこうな時間がたっている。俺はもうとっくのとうに今日は友達の家に泊まるから家に帰らないと親にいって許可をもらっているので、ソワソワすることとか悪いことをした時に感じる緊張とかを感じなくてもいいのだ。
だが、どうもここにいると落ち着かない、今俺たちがいるのはリビングだ。幽霊屋敷にもやはりリビングなんてあるんだなぁとかわけのわからないことを思いながらも、さきほどみてきた光景を思い出す。
それは、ローラたち各個人の部屋の中のことだった。それはまぁあまりにも現実離れしていて、俺の読解力かなんやかんやで説明するのはむずかしすぎるほどのものだった。ローラの部屋がたしか———英国の図書館みたいに縦に長い本棚が壁一面ギッシリとならべられていて、そこには当然、ローラの『能力』の源たる本がギッシリとつめこまれていた。そけの厚さはまばらだったが、分厚いものなんかでは一つの本棚の半分をうめつくさんばかりのものが有ったような気もする。そういえばここはリビングと隣接していて、今もローラがなにやらそこにとじこもって資料をかき集めてきているようだ。最初にローラが入り口の前でなにか【魔法】を唱えていたのだが、もしかしたらドアかなんかに本人しかあけられないような封印がほどこされているのかもしれない。うかつに触ったらどうなるか分からん。二階は蛍の部屋だった。そこにいくための階段は、本棚にしまいきれなかったのか、本でできていた。本がところせましてならべられて、どんどんどんどん段差が高くなっていっていた。だが途中窪んでいたりしたので、別に計算して出来た階段ではないのだろう。蛍の部屋は、なんというか幻想的な部屋だった。天体観測なんかがそこでできてしまうのではないかと錯覚してしまうほどにそこは夜の空間とかしていて、天気がいい日の夜なんかと大して部屋の中は変わらなかった。だけど俺はとくにといって星に情熱だったり天体観測に情熱だったりしないために、そこはすぐにあとにした。三階の部屋はレイの部屋だった。なんというか、この幽霊屋敷は縦に長く横に短いといった風な感じで、一階がリビングや台所、客間や集合室なんかで場所をとっているから横にながいが、あとの上はホタルたちの部屋だけしかないのでただ縦に長いだけとなっていた。レイの部屋にいくための階段はなぜか金色に淡く光る物質でできていて、すこし摂取して学者かなんかに提出したい気分に駆られた。レイの部屋はなんというか、ただ寒かった、はい以上。続いてルミの部屋にいくために氷の階段を上った俺は————心に何かを植えつけられた。
そう、そこは完全なる隔離空間だった。圧倒的なまでの魔力を秘めたあの空間に入った瞬間俺は、俺の心は、強くなにか・・・寂しさを感じた。
電気はついているが、どこか黒の感じを思わせる部屋だった。そしてそのところどころにはお菓子が浮かんでおり、それはチョコレートであったりなんか英国貴族とかが好んで食べそうなフルーツだったりといろいろなものがあったが、その必ず近くには、ぼんやりとその存在をしめす———小さな鳥籠が、青白い光を放ちながら、うかんでいた。
それは、ローラにも、蛍にも、レイにも、あのエルにさえも見えていないのだという。俺が特別なんじゃないか、とかいうわけがない。あれが見えるのはどうやらここにいるのは俺とルミだけらしく、ルミはあれが見える人に会うのは初めてなのだという。あれは近づくにつれ人間の憎しみと憎悪と悲しみの叫びが聞こえてくる。聞いているだけで吐き気がしてきそうで、すぐに俺はその部屋から退室して、今にいたる。
———あれを見た瞬間、あの声を聞いた瞬間、ルミの言動、瞳の色・・・その中に狂気の色が宿っている理由が分かったような気がした。
その後、ルミの『能力』———【人を自らの好きなもので惑わす】というのは、彼女が孤独だったがゆえに生まれた能力なのだと———俺はローラから聞いた。