コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.100 )
- 日時: 2011/02/05 00:03
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: f/UYm5/w)
- 参照: 揺られ酔って 逃げようと 足掻いてたby.愛迷エレジー
第二十一話『眩しい二人』
*休み時間*
さっきの出来事に落ち込んでいながらも、私は愛奈の席の周りで話していた。
愛奈と一緒に帰って暴露したあの日から、私は愛奈の席に行くことが多くなった。
愛奈と話したかったし、壱の視界にも入りたかったし——。
小さなことながらも、私は休み時間の度に愛奈の席に向かっていた。
壱はと言えば、愛奈の隣の席の原田くんと喋っている。
近いといえば、近い状態だ。
私は愛奈と喋りながら、さりげなく壱を見ていた。
すると、
「——さっき綿津がこうやってさ、ずずずんずずずんって踊ってた」
原田くんにそう言いながら、壱が突然くねくねと踊り出した。
私は思わず、その場で吹き出しそうになった。
クールなイケメンが、効果音発しながら変な踊りを……!!
かっこいいけど、うける……!
だめだ、吹きそう。
「おい、壱! 俺やってないし」
「やってただろーが」
わたっぺが乱入してきて否定するが、壱は無表情のままそう言った。
相変わらず、変な動きは健在で——。
「……っ」
ダメだ、これ以上ここに居たら吹く。
私は愛奈に「席に戻るね」と言い、素早くその場から離れた。
**
「はぁ……」
放課後活動。
私が小さく溜息をつきながらその場で伸びていた。
「はぁー」
すると、隣に居た叶汰も溜息をついた。
私は思わず顔を上げ、叶汰の顔を見る。
すると叶汰も私の顔を見て、小さく笑った。
「俺、優が来たらやばいな」
「なんで?」
「優、俺の急所蹴って来るから」
ちょ、急所って……!
私も叶汰の顔を見て、軽く笑い返した。
「——じゃあ、合唱練習始めるよ〜」
学級代表がそう言い、皆作業を中止した。
貼り絵グループは机を一旦除けて、隣のクラスで作業をしていた装飾グループも教室に入って合唱が出来る体制になる。
「……ぬ」
私は、あることに気が付いた。
歌うとき、女子と男子で窓側と壁側に別れているのだが——。
向かいに叶汰&壱がいる!?
「依麻、下向いてどうしたの?」
「や、えと、この方が歌いやすいの!」
横の愛奈に心配されるが、私は笑顔でその場を乗り切った。
愛奈は怪しまず、再び前を向いた。
私も一瞬だけ前を見たが——。
ぶはっ、前が眩しく見えるっ!!
前見れねぇぇっ!
「……」
結局私は下を向いたまま、合唱練習の時間を乗り越えた。