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Re: *叶恋華* +実話+ ( No.119 )
日時: 2011/02/05 19:31
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: bFAhhtl4)
参照: 泣いてなんかないんだからね 大好きby.恋は戦争

第二十五話『学校祭二日目』


学校祭二日目——。
今日はバザーもあるし、合唱コンクールなどもあるので楽しめる……はず。


「一位とるぞー!!」
「おーっ!!!」


図書室で合唱コンクールの練習をしていた私たちは、指揮者の志保ちゃんの声掛け声で気合を入れた。
福野も気合が入り、いつも以上に言葉が荒々しくなっていた。


「女子、スカートの長さ均一に揃えろ!! 愛奈長ぇわ! 志保短ぇ!! 早く揃えろ!!」


クラスの中で一番スカートが長い愛奈、そして一番スカートが短い志保ちゃん。
二人は軽く文句を言いながらも、スカートを普通の長さにした。


「男子もシャツ出ししてる奴入れろよー!! あと暑くてもちゃんと上着ろ!! ボタンも閉めろ!」
「えー、まだいいべ」
「駄目!!」


不良グループはぐちぐちと文句を言っている。
しかし、シャツを出していた壱はシャツ出しするのを止め、きちんと福野の言うことを聞いていた。
私はその光景を見て、少し胸が高鳴った。


「じゃあ行くぞ!!」


福野を先頭に、私たちは体育館へ向かう。
そして緊張しながらも合唱曲、『心の瞳』を歌った。


**


「——あー、合唱お疲れ!」


合唱を無事に歌い終え、バザーの時間。
私と由良と優と愛奈は、食堂となっている家庭科室でケーキを食べていた。


「一位とれるかな〜」
「ライバルの一組、音ズレしてたし大丈夫じゃない?」
「だよねー」


私たちは、色んな話をしながら時間をつぶしていた。
そしてジュースを買いに行く途中、私達は壱達とすれ違った。
優と由良と愛奈は気づいてなかったけど、私は壱を目で追っていた。


**


「——二年生の総合優勝は、21HRです!!」


結果発表の時、一組から歓声が沸きあがった。
私たち二組は茫然とし、その場で突っ立っていた。


私たちは、結局一組に届かず二位という結果になった。
締切ギリギリで頑張った貼り絵も、合唱も新聞もすべて二位であった。
唯一とれたのは、志保ちゃんの優秀指揮者賞のみ。


「皆さん、お疲れ様でした〜」


司会の言葉と同時に、スクリーンに写真が流れた。
その中の写真は、私たちのクラスのもあって——。


「……私、写ってないやんけ」


皆笑顔でピースしている写真。
その中で、私の姿はなく——。
私のピースしている手のみが写っていた。


「……」


なんだか複雑な気持ちのまま、特に何も思い出もなく学校祭は幕を閉じた。


*放課後*


「——壱、帰るぞ〜」
「おう」


壱が私の横を通った。
壱の肩にかけているスクバについてるのは……、赤いクマ。
か、可愛い……。
壱の身に着けてるもの、ほとんど赤だし……。
本当に赤が好きなんだなぁ……。


そう思いながら壱を見ていた時、軽く目が合った。
私は思わず逸らしてしまう。
だけど、壱と目が合った事が嬉しくて——……。


「……よし」


こうなったら、明後日からバンバンアピールするよ!
壱に私の存在を気づいてもらうため——……!!
そして、話せるようになるために!


私はそう決意して、玄関へと向かった。