コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.131 )
- 日時: 2011/02/06 01:33
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: .MCs8sIl)
- 参照: 泣いてなんかないんだからね 大好きby.恋は戦争
第二十八話『天然四天王』
次の日——。
私は、いつものように由良達と愛奈の席周辺で話していた。
後ろには、原田くんと疾風と話している壱が——。
私は自分の存在をアピールするために、壱と目を合わせようと必死だった。
無理矢理目を合わせるような感じでもあるが、軽く目を合うことが出来ていた。
そんな時、
「……話し掛けてみなよ、依麻」
「えっ、」
小声で愛奈に言われ、私は硬直した。
話しかけるなんて、そんなぁ……!
そう思っていると、
「依麻、愛奈の席座りなよ」
「え?」
「ほら愛奈どいて! 依麻を壱の近くに座らせてあげるの!!」
「え、ちょ、ま」
待 っ て 下 さ い !!
由良と優は私を引っ張るが、私は必死に抵抗した。
「ちょ、待って、やめ」
「いいから!」
「ぐはっ」
由良と優に押し付けられ、無理矢理座るハメになった。
あぁぁぁぁ、後ろに壱がぁぁ!!
てか絶対変に思われたよね!?
いやああああああ!!!
で、でも壱は天然だから——。
うん、このくらい大丈夫だよね!? きっと!
私はかなり気まずい状態になりながらも、必死にそう言い聞かせてその場を乗り越えていた。
**
「——おい、誰だよ。あそこに牛乳零してるの」
給食時間が終わり、昼休み。
窓側の通路周辺の床に、大きく牛乳の水たまりができていた。
それは誰も拭かず、皆上手に避けて歩いている。
そんな時——。
壱が牛乳の水たまりの方へ向かって歩いてきた。
それを見て私は、何故か嫌な予感がした。
だけど……。いくら天然な壱でも、あの水たまりには気づいて避けるよね?
そう思った瞬間、
びちゃ
——嫌な予感は、見事的中した。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁ踏んじゃったぁぁぁ」
牛乳を見事踏んづけた本人——壱は、下を見て絶叫していた。
いや、まず叫ぶよりその足をどけた方が……。
ていうか、壱の声いつも小さいからこんな大きい声聴くの初めてだ……ってそうじゃなくて。
「誰だよ、これー。拭けよー。踏んじゃったじゃん」
壱は小さく文句を言いながら、その場を去って行った。
牛乳の足跡を、残しながら——。
「……っ」
私は必死に笑いを堪え、その光景を見ていた。
壱の天然行動、もはや全てが私のツボにハマっている。
天然四天王、恐るべし……。
私は咳で笑いを誤魔化しながら、愛奈達のところへ向かった。