コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.132 )
- 日時: 2011/02/06 02:11
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: .MCs8sIl)
- 参照: 泣いてなんかないんだからね 大好きby.恋は戦争
第二十九話『交換大作戦っ!』
十一月に入り、秋休みという五日間の休みが入り——。
私は日々、ただ平凡な毎日を過ごして壱を遠くから見つめる……というのを繰り返していた。
そんな時。
ある由良の言葉で、一気に目が覚める事となる。
「依麻! 壱ねぇ、今モテ期到来らしいから早く告った方がいいよ」
「ふーん、モテ期到来ね〜……え、——はぁ?」
今、なんと言いました?
壱 が モ テ 期 到 来 で す と !?
「なんかね、一気に他中の三人に告られたんだって! いやぁ、モテモテだねぇ」
さ、三人に告られたの!?
この短い期間に、そんなに!?
え、えぇ……壱すげぇ……。
って、関心してる場合じゃない!!
これは、ピンチというものなのでは!?
**
『モテ期到来』
『あいつ彼女募集中みたいな事言ってたし』
授業中、由良と愛奈の言葉がぐるぐる頭の中を回っていた。
壱がいつオッケーするのかわからない。
私が話しかける前に壱が彼女出来てたら、シャレになんねーっ!
こ、これはアタックするべきなのか?
いや、アタックしなくては!!
「……」
しかし、過去の経験と失態が甦る。
振られ続けてきたので、成功するアタックの仕方なんてどうすればいいのかなんてわからない。
相手が話しかけてくれる人ならいいものの——……壱は、女子と話さない。
話しかけるにも、私は転校生という立場。
なんかさぁ……。転校してきた女がいきなりあつかましく話しかけて来たら、引かれそうで怖い。
「……っだぁぁぁ!! もうバカタレ!!」
いつからこんなに恋愛に臆病になったんだろう……。
なんかさ、しつこくアタックしたらさ。
怜緒の時みたいに「ストーカー」って言われそうな気がして。
——でも、この恋だけは成功させたい!!
八回振られ続けた女の底力、見せちゃる!!
「……よしっ!!」
思い立ったら、実行あるのみ!!
待っとけ、珠紀壱!
「……ってわけで、壱にメアドを聞いてもらえないでしょうか?」
授業終了後、私は由良に頭を下げてお願いしていた。
そう、私の考えた作戦。
それは、壱にメアドをGETすることである。
「私、壱とあんまり話したことないし……。優の方がいいんじゃないかな?」
「ん? 由良、呼んだ?」
「あのね、依麻が壱のメアド聞いてほしいんだって」
「え? 私に?」
優は驚いた顔で私を見る。
私は優に必死に頭を下げ、お願いした。
「……わかったよ、じゃあ聞いてあげるね」
優は笑みを浮かべ、そう言ってくれた。
よっしゃああああああああああ!!!
……いや、喜ぶのはまだ早い!
壱がメアド交換するのをOKしてくれるかどうか……だよね!
「じゃあ今聞いてくるわ」
「え、あ、今?」
「うん。早い方がいいでしょ?」
「ありがとう、優〜!!」
なんて優しいお方なんだ、優!!
でも今、壱の周りには男子がいるぜべいべーっ!!
それでも気にせず、優は男子の間に入って行った。
「っわ、私、ちょっと……」
「依麻、逃げるな! ここ座る!」
「ひぃっ」
由良に手を掴まれ、無理矢理引き戻された。
あぁ、なんか心臓が……!!
由良はチラチラと優の様子を見るが、私は壱の方など恥ずかしくて完全に見れなかった。
「——どうしても! お願い!」
なんか、優の必死に説得する声が聞こえますが。
あぁ、やっぱり見ず知らずの変人転校生なんかとメアド交換したくありませんか?
そう思いながら、私はその場で俯いていた。
**
しばらくして——。
優が、私たちのところへ戻ってきた。
「どうだった?」
由良は私よりも先に、真剣な顔で優に聞いた。
すると優は、小さく笑みを浮かべながら私を見た。
「わかった、だってさ」
「っ!」
優の言葉に、自然と顔が緩まる感覚がした。
しかしそれをぐっと堪え、私はぎこちない動きで少しずつ横にずれた。
「……じゃ、じゃあ私はこれで」
「依麻、よかったね!」
「ぐはぁっ!」
由良に思い切り背中を押され、私は優のかばんに引っ掛かり、よろけた。
そのあと慌てて席に戻ろうとするが、机に衝突し、自分のかばんを落としてしまった。
……やばい、私超動揺してる!
「……っ」
メアド交換をOKしてくれたんなら、後はどっちからメアドを渡すか……だよね……。
ていうか、ここは普通聞いた私からだよね!?
「……よし……っ」
あと少しだけ勇気を振り絞って、頑張ろう!!