コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.140 )
- 日時: 2011/02/08 18:24
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 8cbAvaGA)
- 参照: 雑巾絞るように 勇気もアレしちゃおうby愛迷エレジー
第三十二話『マイナス思考』
「携帯没収されてるか、解約されてるんだよ! きっと!」
次の日の朝——。
机に突っ伏してどんよりオーラを背負って落ち込む私に、由良がそう言って励ましてくれた。
「うちも最初は来なかったから、大丈夫だ!」
由良の隣に居た優もそう励ましてくれた。
私は顔を上げて、優を見る。
「優は毎日門倉とメールしてるんでしょ? いいよねぇ〜……」
「いやいや。依麻も出来るようになるって」
無理です。
今の時点でメール来てないのにさぁ……。
あうう、やっぱ見ず知らずの転校生からのメアド交換はキモすぎたかな?
あぁ、どんどんマイナス思考になっていく……。
「……てか、壱来てなくない?」
由良が周りを見渡して、そう呟いた。
私も体を起こし、辺りを見回すが——。
席にも。
草食男子のところにも。
壱は、いなかった。
「珍しいね。遅刻? それとも休み?」
「もうそろそろチャイム鳴るしね。休みかな?」
由良と優は、顔を見合わせてそう言った。
もし休みだったら——。
もしかしたら、私のせいで休んだのかもしれない。
私がいきなりメアドなんてあげたから、気持ち悪すぎてショックで熱が出ちゃったのかもしれない。
「……どうしよう」
そうなったら、完璧最悪だ。
あぁ、壱ごめんなさい!!
私の心の中で、次第にショックと罪悪感が芽生えていった。
**
「……結局来ないよ……。あぁ」
一時間目終了後。
壱は学校に来ておらず、休みだと判明した。
だっていくら壱でもさぁ、遅刻しても一時間目には来るよね!?
あぁ、もう私最悪……。
「大丈夫だって、依麻〜」
「大丈夫だと信じたいけど……でも……昨日の今日で……」
「元気出せ! ほら、次移動教室だから行くよ〜」
私は由良に引っ張られながら、移動教室へ向かった。
心の中と頭の中は、相変わらずマイナスのままで。
**
「——あれ、壱いるじゃん!」
二時間目——。
家庭科室で作業をしているとき、優がそう言った。
私が慌てて振り向くと、何故かそこには壱が——。
「……あ、れ? 幻覚? え、さっきまで……」
「遅刻して来たんじゃね? 寝坊かな? とにかくよかったね、依麻」
優にも見えてるんだから、幻覚じゃないよね。
遅刻して来たのかぁ……。
欠席じゃなくてよかった——。
熱出てなくて、本当によかったぁ……。
次第に私の中の罪悪感が、消えてゆく感覚がした。