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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.15 )
- 日時: 2011/01/26 19:15
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: jSS95WES)
- 参照: ねぇ 嫌いになるから 僕を愛して 君に愛されたい(by.罪と罰
第一話『光葉中学校』
『大丈夫だよ』
君が、あの日と同じように優しく呟いた。
忘れかけてた時に、君が夢に出るの。
目が覚めた時に切なくなる。
情けないよね。
「……はぁ」
——でも、もう大丈夫。
前を向いて歩けるから。
もう立ち止まらないから。
私はそう強く心の中で誓い、ベットから起き上がった。
「……あ〜、初のセーラーだ」
ハンガーにかけてある、真新しい真っ白なセーラー服。
よく漫画とかに出てるよね、うん。
前までブレザーだった私の、密かに憧れていたセーラー。
ついにここで着れるとは……!
「……っうぉっしゃあ!」
私はセーラー服に袖に通し、気合いの雄叫びを上げた。
今日から新しい人生、頑張るぞ!
私はもうあの頃の自分じゃない。
苦しんで泣いてた私じゃない。
もう私は、三上依麻じゃない。
水城依麻、なんだ。
朝ご飯を食べ、洗面台の前に立ち、ブラシで髪をとかす。
髪は数日前にイメチェンをかねて量を少なくしたので、扱いやすかった。
前の学校で禁止だった黒いカチューシャをつけて、また一つ気合いを入れた。
「髪おっけぃ、服装おっけぃ!」
私は最終確認をして、「うしっ」と声を上げて家を出た。
出だし快調、このまま突っ走るぞ!!
新しい学校は、どんなところかな?
「——水城依麻……さん? このたび、担任になりました福野由紀子と申します。よろしくね」
夏休みの間の出来事が、蘇る。
学校に転入届けを出したとき、優しそうな口調の女の教師が笑顔で迎えてくれた。
それから学校の話をして、学校を少し周って……。
担任も優しそうだし、数年前まで刹那にいた幼馴染も同じクラスらしいし、初めて転校生という立場につく私は凄く安心していた。
しかし、そんな期待も裏腹に。
これから起こる出来事なんて知らず、私は軽い足取りで学校へ向かっていた。
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