PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.173 )
- 日時: 2011/02/12 01:40
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3iZuTr1t)
第四十一話『ちっぽけな勇気』
その日の夜——。
私は、壱にメールを送ってみた。
一応、勇気は振り絞った……つもりだ。
from.依麻
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
こんばんわ!
一日お疲れ様です^^
もし、お暇な人がいたら「暇」ってメールください♪
暇じゃない人は、
無理せずスルーOKだよb
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
話の内容からわかるように、一斉送信で。
それがいけなかったのか……メールが返ってこない。
「……迷惑だったかな……」
私は携帯を握りしめ、暗いオーラを背負ってそう呟いた。
あーあ……、好きな人とメアドが交換出来たら、いっぱいメールできると思ってたのになぁ……。
現実は、難しい——。
**
次の日。
一回も壱と、目が合わなかった。
いつもみたいに目で追いかけても、壱はこっちに気付いてくれない。
もしかして……怒ってるのかな?
私はなんだか怖くなり、愛奈に聞き込みを入れた。
「壱がキレたら? ……なんか、怖いらしいよ」
「えっ……。じゃ、じゃあ目が合った人にはどんな対応する?」
「目が合った人に? ……いつもは『なに?』って感じかな。私には『なんだよ』って言って睨んでくるけど」
私は何も言われない……とほほ。
目を合わせても大丈夫なのかなぁ……?
なんか、急に不安になってきたよ。
そう思ってると、
「あーっ、疲れたぁ……」
壱が机に食器おいて、壁に寄り掛かった。
そういや、もう給食時間か……。
なんか時間が経つのが早かったなぁ、今日は……。
「……」
壱の横顔も、かっこいいな。
私はそうやって、君を影から見る事しか出来なかった。
PR