コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.179 )
- 日時: 2011/02/12 03:35
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3iZuTr1t)
- 参照: 溺れるのが 怖かったの(by.愛迷エレジー
第四十四話『進む恋時計』
結局その後、私は風邪で見事にダウンした。
学校を二日間休み、土日の間もゆっくり休んで、なんとか風邪が完治!!
月曜日の今日、気持ちを引き締めて学校へと向かった。
「……あ」
玄関に到着し、下駄箱で靴を脱いでいると由良の姿が目に入った。
私は由良に近づき、笑顔を浮かべた。
「おはよ」
「お、依麻! おはよう、大丈夫? まじ心配したんだよー」
「うん、大丈夫! ありがとね」
私はお礼を言い、由良を見た。
すると由良は突然思い出したかのように「あっ!」と大声で言い、私の肩を思い切り掴んで揺らした。
「あうあうあう」
「依麻が居ない間にね! 今、クラスが大変なことになってるよ」
「え、な、なにが?」
クラスが大変な事って——?
誰かが大喧嘩したとか?
それとも、虐めが始まった?
それとも——。
しかし、由良の発した言葉は私の予想を遥かに超えていた。
「依麻の好きな人が色んな人にバレた」
「……え?」
今 な ん つ っ た ?
「それでね、壱のこと好きなのが壱本人にバレてるよ!」
「……なにぃぃ!?」
私は数秒遅れてリアクションをした。
二日間、いや土日いれて四日間の間に何があった!?
「なんかね、零が言ってた」
「えぇぇぇ」
まさかのテニス部繋がり?
不良問題児で有名の零さん……。
何やらかしとんねん。
「多分、零が勝手に壱の携帯見て『なんで水城の入ってるのよ』ってなったんじゃない?」
なんじゃそりゃ!?
人の携帯無断で覗くなんて悪趣味!!
……って、そう言っても、もう遅いよね。
「やばいじゃん私」
「大丈夫! 『付き合おうかな』って壱言ってたし」
「……っ」
な、なんですと?
壱が『付き合おうかな』ですと——……!?
その時私は天に上るような気持ちになった。
——しかし。
それは後ほどの出来事で一気に崩れ落ちる事となる。
**
「お、依麻おはよー!」
「おはよ、愛奈」
教室に入ると愛奈が挨拶をしてくれた。
そして愛奈は手招きをしてきたので、私はカバンを置いて愛奈の席へ向かう。
「……」
まだ席替えしていないので、愛奈の席の後ろは壱のまま——。
な、なんか空気が気まずい。
壱の方を見れない……。
そう思っていると、疾風が壱を見て不気味に微笑み始めた。
壱の方をチラ見すると、軽く笑って俯いている。
なんなの、その疾風の不気味なスマイル……!!
あぁ、この空間に居たくないよ私。
そう思い顔を伏せた時、
「腕細っ」
ほのかの声が聞こえてきた。
見れば、壱の腕を触ってそう笑みを浮かべている。
ちょ、壱の腕細い!!
「壱の腕細くていいなぁ〜。まじ羨ましい!」
私が思ったことをほのかは口に出し、壱に向かってそう言った。
……なんかほのかと壱、仲良さ気?
壱笑ってるし——。
壱が女子と話して笑ってるの、初めて見たよ。
「……」
本当、この四日間で何があったの。
進んで行く周りの時間に対して、私の思考は置いて行かれる一方であった。