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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.18 )
- 日時: 2011/01/26 19:26
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: jSS95WES)
- 参照: ねぇ 嫌いになるから 僕を愛して 君に愛されたい(by.罪と罰
第二話『豹変』
時間通りに学校につき、私は職員玄関のチャイムを押した。
「あ、水城さん。おはよ」
「おはようございます」
担任の先生が、笑顔で出迎えてくれた。
私も笑顔で挨拶をし、外靴を脱いで上靴を出す。
すると、先生は私を見た。
「靴紐セットしてきてないの?」
「は、はい……」
靴ひもは、見事なるだんご状態。
それを解いて靴紐を綺麗にセットしようとした、が——……。
「あれ、あららら?」
なんだこれ。
からまったぞ?
うぎゃ、出来ないぜべいべーっ!
心の中でそう叫び、私が靴紐を持って慌てていると先生が目を見開いた。
「このくらい出来ないのかよ!?」
「は、はい……た、ぶん」
そうみたいですね。
私が笑ってごまかすと、先生から笑顔が消えた。
あ、あら?
「母親にやってもらってこいよ……ったく、腹立つ」
は ら た つ ?
転入一日目で、まさかの腹立つ!?
しかも、担任の先生の口から……え?
いきなり私、腹立たせてしまったようです。
転校初日でやっちまいました、私。
「早く靴紐解いて」
「え、はい」
「違う! 靴紐解くんだよ! ったく、貸せや」
なんなのこの先生ぃぃぃぃぃ!?
夏休みに転入届け出す時の、あの優しいオーラはどこいった!?
「ここをこうして、こう!」
「あ、あひょあひょ」
「……ったく、遅い! 貸して」
奇声を発して戸惑うが、先生のミサイルはお構いなし。
あはは、あはははは。
「——はい、出来たよ。早く靴履けよ!」
「ひぃっ、はい!」
なんだか私、超ショックなんですが。
先生の酷い豹変。
あの最初の、優しそうだった紳士みたいな先生はどこへ。
これが本性なの? ねぇ、先生そうなんですか。
「いくよ。……あぁっ、もう時間ない! 早く!!」
「…………」
結論。
人を見かけと第一印象と、言葉で判断するのはやめましょう。
……改めてそう実感した、十四歳の夏。
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