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Re: *叶恋華* +実話+ 47話あっぷ! ( No.198 )
日時: 2011/02/13 03:18
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: C/uisxMB)
参照: 動けないアタシが こんなに嫌いで仕方ない (by.自己嫌悪

第四十八話『confession...?』


次の日——。
いよいよやってきました、九日!!


「……っ」
「待っててね、依麻! 今、壱呼んでくるから」


ついに告白か……!
放課後の騒がしい廊下の隅で、私は壁に寄りかかって深呼吸をしていた。
由良たち壱を呼んでくれるみたいだけど……、うまくいくかな?


今日はいつも以上に視線を送ってみたけど……。
少しでも、意識してもらえたかな?
——なんて、そんなに人の気持ちは簡単じゃないよね。
簡単にうまくいく恋愛なんて、長続きしないに決まってる。
そんなの、本気の恋じゃないに決まってる——。


……ていうか、なんか私の周りに人群がりすぎじゃない?
!!
由良達、壱を呼びに行ったまま帰ってこないし……。
や、やばい心臓が飛び出そう……!!


「——依麻!」


心拍数が半端ない位になった瞬間、由良の声が聞こえてきた。
由良を見て、私は目を見開く。


壱 い な く な い ?


「い、壱は……?」
「壱ね、なんか——……」
「っ!?」


由良が喋るのを遮るように、私の中での時が止まった。
そう、私の目の前に——……。


壱がいるからだ。


「……っ」


ふ、不意打ち……ですか?
そう思いながら壱の顔を見上げると、壱の顔は見事に真っ赤であった。
わ、そ、そんな、告白する前に真っ赤になるなんて……。
こっちまで、顔が真っ赤に——……。


そう思った瞬間、


「——……っあーっ!!」


壱がそう叫び、私に背を向けて去って行ってしまった。
え、ちょ待って!?
私まで告ってないんだけど……なぁ……。


「……依麻、今日はやめた方がいいかも」
「え?」


横から由良が小さな声で呟き、私は勢いよく顔を上げた。
今日はやめた方がいいって……、どういうこと?


「壱、キレモードみたいだから」
「……はい?」


キ レ モ ー ド ?


「え、な、なんで?」
「よくわかんないけど……。——今、もう一回聞いてくる」


由良はそう言って、壱の後を追った。
私は壁に寄りかかったまま力が抜け、その場に座り込んだ。


キレモード?
私、何かした?
え、告白しようと思って呼び出したのが駄目だったの——?


め、迷惑だったのかな……?
さっき顔赤くなってたのは、怒ってたからなのかな……!?
何はともあれ、私……。


壱 を 怒 ら せ た ?


「——依麻、聞いてきたよ!」
「……由良……、」
「なんか壱がね、『部活だから無理』って言って走ってっちゃった」


ぶ、部活があったのか……。
なんてこった、計算ミス。


「壱ね、呼び出してもなかなか来ないんだよね〜。どうしても来い! って説得しても、全然聞かないし。だから最初、『二秒ならいいよ』なんて言い出すし」
「……」


無茶苦茶やん。
二秒って、沈黙で終わっちゃうじゃないか。


「だからね、志保に頼んで無理矢理……」


……って、おい!
志 保 ち ゃ ん に 言 っ た ん か い !


「……あぁぁ……」


終わった……。
志保ちゃんに知られるなんて。
しかも絶対色んな人みてたよね、その一部始終を——。


絶対、クラスのほとんどの人に知られた。
もう、明日どんな顔して学校行けば——……!?


告白は失敗するわ、
クラスのほとんどに知られるわ……。




         水城依麻、最悪な状況であります。