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Re: *叶恋華* +実話+ 50話達成! ( No.218 )
日時: 2011/02/14 22:02
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Q3zV8Sch)
参照: 触れあって全てが伝えられれば楽なのに (by.Bad Sweets

第五十二話『作戦×策戦』


好きだけど、


この位しか、私には出来ないの。





次の日——。


「おう依麻、おはよーっ」
「寝坊かぁ、依麻!」


昨日はあの後失恋ソングを聞き想いふけ、夜も眠れない一日を過ごした。
それが響き、案の定今日は遅刻しました。


「おはよう、由良と愛奈〜……」


私は二人に挨拶をし、自分の席に向かった。
……あぁ、そうだ。
壱の席、私の斜め後ろなんだよね……。
私はそそくさと自分の席に座り、カバンの中を整理した。


頑張って壱の方を見ないようにしても、やっぱり視界には入っちゃう訳で——……。


「……ん?」


その時、一つ気づいた。
なんか、壱と席近くない?
壱が列からはみ出てる上に、前にきてるからめちゃ近い気が……。
嬉しいけど、嬉しいけど!
昨日のことを思い出すと、喜べないんだなぁ……。


どうして恋は、こううまくいかないんだろうね?
何をどうすれば、君に近づけるんだろう——……?


「——おーうい、壱おはよー」


すると、後ろからでかい声が聞こえてきた。
それは、見ないでも誰だかわかる。
私の後ろの席——……龍の声だ。


「壱さぁ、——……」


龍は壱に近づき、何やらこそこそと話している。
ボーイズトークですか、龍さん。
そう思ってると、壱が小さな声で何かを呟いた。


「——……たし」
「……え? 別れた?」
「……ちげぇよ」


わ、別れた!?
壱って、もしかして付き合ってる人居たの?
そうだとしたら、私ますますなんてことを……!


でも壱、違うって言ったよね?
どっちなの?
もう……なんか、何を信じたらいいのかわからないよ。


私は小さく溜息をつき、始まる授業の準備をしていた。


**


理科の授業中——。
私はひたすら、壱の事ばかり考えていた。


好きだから、もっと近づきたい。
でも近づけない。
どうしたら、話せる?
どうしたら、接近出来る——……?


そんな事ばかりを、考えていた。
なかなかいい作戦ないよね……。
私はそう思いながら、筆箱の中の物で遊んでいた。


その時、一つのものが目に入った。


「…………あ」


そして、頭の中で何かひらめいた。
——これ、使えそうじゃん。
上手くいけば、話せるし接近出来るんじゃない?


「……」


そう決まれば、早速実行あるのみだよね!
ちょっとズルいテクかもしれないけど——……。


水城依麻、やってみせます!
ええ、やってみせますとも!!