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Re: *叶恋華* +実話+ 50話達成! ( No.233 )
日時: 2011/02/15 22:08
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 7lLc0QEy)
参照: こっちを向いて名前を呼んで それすらも私のわがままね(by.恋愛疾患

キャラ合同企画番外編!!
苺羅様の『恋時計』のキャラをお借りしております。
『*叶恋華*』の初々しい(?)新キャラ、濃いキャラが多い旧キャラと『恋時計』の主要人物、総勢16人が暴れちゃうよ(ぇ


絵磨のキャラ
旧キャラ→水城依麻/森野康祐/三上望/姫吉怜緒/鈴野愛可/藤山美里奈
新キャラ→珠紀壱/宮田優/里田由良/高見愛奈
苺羅のキャラ
→七瀬香織/三井優志/七瀬龍夜/三井孝文/七瀬康義/三井辰雅


+番外編+ 『眉抜きの日(前編)』


二月三日——……。
そう、この日は世間で言えば【節分】と言われる日本の伝統的な文化をする日である。
そんな訳であって、一同は三上依麻の家で集まっていた。


「ねぇねぇ、豆まきしようよ」


全ての幕開けは、そう。
三井辰雅の、この言葉であった。


「豆まき? それより豆食おうぜ」
「つかどんぐりまこうぜ」
「豆ならいつでも食べれるでしょ。どんぐりとか謎」


珠紀壱と三上望のちんぷんかんな発言にも関わらず、宮田優は鋭いツッコミをいれた。
一同は、うんうんと頷く。


「……でもさぁ、ただ豆まくだけじゃつまんなくね?」
「そうだよね。……なんかこう、刺激が欲
「きゃああああああっ」


三井孝文と七瀬香織は顔を見合わせてそう言った。
しかし香織の言葉は大きな音と叫び声と共に遮られる。


「一体何?」
「依麻の部屋からじゃない?」
「なぬ!?」


依麻は滑り込むように自分の部屋へと向かった。
それに香織たちも続く。


「人の部屋で何してんだ平安が」
「デュフ、机の中探……遊んでた」
「今絶対、探るって言おうとしたよね」


大きな音の正体は、依麻の部屋の写真立てが全部落ちた音であった。
そして叫び声を上げたのは——……鈴野愛可。
愛可の横には、三井優志に姫吉怜緒に藤山美里奈——……。
俗にいう、『平安』が集まっていた。


辺りの空気は凍りつき、皆で平安を睨む。


「……豆まきしようと思うんだけど。お前ら四人、鬼ね」
「えーっ! やだぁー」


七瀬龍夜がそう言うと、平安達は文句を言い始めた。
平安時代に帰れ。
誰もが四人に対し、そう思っただろう。


「——ていうか、豆まきとかでーはーじゃないし! もっとでーはーな事しようよ?」


美里奈はそう言って、どこからか紙を取り出した。
その紙には、派手な字でこう書いてあった。


『豆まきの日ならぬ、皆でレッツ眉抜き! 〜愛と眉毛が欲しい〜』


「……何これ」
「ルールは簡単。私たち四人が鬼になって皆の眉毛を抜く。眉毛を抜かれた人も鬼になって、残り一人になるまで眉毛を抜きあう! ちなみに、最後の一人になった人はいい事があるよ」
「結局、鬼やるんじゃん……」


美里奈が自慢気で話す横で、龍夜は小声で呟いた。
しかし、美里奈にそれが聞こえるはずもなく。


「——じゃあ、レッツ眉抜き!」
「え、いきなり始まるの!?」
「いーち、にーい……あ、十数える間に散らばってねー」


愛可がぶりぶりした声で行った。
やむおえず、平安以外の皆は逃げるように依麻の家の中で、それぞれ散らばった。




「——……じゅう! さて、眉毛抜きに行きますか」


数え終わり、依麻の部屋の中は静寂が響き渡った。
四人は顔を見合わせ、作戦会議をする。


「まず最初のターゲット、誰にする? 二人に別れて一人を狙えば、収穫があると思う」
「デュフフフ、じゃあ俺愛可と組む」
「優志、ふざけんな! デュフ、愛可は俺と組むんだし」
「いやぁぁん、照れるー」


すると怜緒と優志がもめはじめた。
美里奈は小さく溜息をつき、怜緒と優志の眉毛を一本抜いた。


「アウヂッ」
「ヂュパァッ」
「美里奈と愛可、怜緒と優志ペアでいいでしょ? よし、愛と眉毛の為に! はげぽよ森野のとこ行くよ、愛可!」


美里奈は愛可の腕を引っ張り、走り出した。


**


「——はげぽよ、発見!」
「え!? み、美里奈……」


美里奈は凄い形相……それはまるで、おかめ納豆のパッケージの絵の顔が崩壊したような顔をして、森野康祐のところへ向かった。
そんな崩壊おかめ美里奈を見た瞬間、森野の顔は赤くなった。


「なぁ美里奈、俺たちもう一度——


ブチブチブチブチッ!!!
美里奈は言葉を遮るように、森野の眉毛を素手で力いっぱい引っ張った。
森野の眉毛は、一瞬にしてなくなる。


「お、お、俺のダンディー眉毛ぇぇぇぇぇぇ!!!!」


森野はそう言って、涙を流した。
美里奈は手の平から零れる大量の眉毛を見ながら、小さく笑みを浮かべた。


「一人目……フフフフフ」






「——なんか今、ダンディー眉毛って叫び声聞こえなかった?」
「聞こえた聞こえた」


台所で小さく丸くなっていた依麻と香織は、聞こえてきた森野の叫びこえの事で語っていた。
きっと、森野は犠牲になったのだろう。
二人はそう思い、静かに手を合わせた。


「私たち、眉毛抜かれるのはごめんだからね」
「そうそう! 二人で生き残ろうね、香織」


二人はそう言い、隙間から外の様子を覗いた。
すると、逃げている女子三人——……。
由良と優と愛奈の姿が見えた。


「た、助けてぇぇ!!」
「眉なしとか無理ぃぃぃ」
「やめて、アーッ」


ブチブチブチブチブチブチブチッ!
ぎゃああああああああ、という叫び声と共に、三人は眉毛を抜かれた。
——最低平安男、怜緒と優志のコンビに——。


「……あいつら、許せない」
「うんうん」
「てか私ら、何しに節分の日に眉毛を……」
「わかんない……。——でも、とりあえずここに居たら優志と怜緒に見つかるかも。台所から場所移動しよ」
「そうだね……」


依麻と香織は小声でそう話し合いながら、台所から二人に見つからないように逃げた。


(前編終了)
なんじゃ、この話←
続きは明日書きます←
今日はこれにて落ちます><