コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: *叶恋華* +実話+ 50話達成! ( No.241 )
日時: 2011/02/16 20:11
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: kuEj07Eu)
参照: 感情一つ消せるのなら 「好き」を消せば楽になれるかな(by.Calc.

+番外編+ 『眉抜きの日(中編)』(前編より崩壊してます。文もキャラも)


※一部下品な文章もありますので、ご注意ください。





「康義が悪いんだよ、豆まきしようなんて言うから……」
「だって、まさかあんなことになるとは——」


七瀬康義と三井辰雅は、押し入れの中で隠れていた。
ここなら、当分見つかりそうにない。
そして最年少の二人なら、楽勝でここに隠れられる。
そんな理由で、ずっとここに隠れていた。


「眉毛、なくなりたくないよぉ」
「学校で皆に、馬鹿にされるよぅ」


二人は泣きべそをかきながら、そう呟いた。
こういう時、誰かが四人を止めてくれたら——。
そう思っていると、


「——ゲ、」


森野の声が聞こえてきた。
康義と辰雅はお互い顔を見合わせる。


「今の声、森野君だよね?」
「森野君なら、守ってくれるかも! 助けを求めようよ!!」


二人の顔から、笑みが零れた。
そして辰雅は押し入れのドアを勢いよく開け、こっちに背を向けている森野に向かって叫んだ。


「おーい、僕たちここだよー!」
「森野君、こっちきてー」


二人がそういうと、森野は振り向いた。
そして、ゆっくりと近づいてくる。


「……あれ、なんか様子がおかしくない?」
「え?」


そう。
森野は、小さな声でブツブツと何かを呟いていた。
いつもキメてる眼鏡もズレているし、なんだかいつもと違う。


「……森野君、眉毛なくない?」
「——ふが」


康義がそう言うと、森野の口が大きく開きだした。
そして、


「マユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲマユゲ……」


眉毛がない顔のまま、大きな声でそう呪文のように唱えながら二人のところへ瞬間移動してきた。


「「うわあああああああああああああっ!!」」


ブチブチブチブチ、ブチ。
その音を最後に、二人の眉毛がなくなった。


**


「う、うぅっ……」


着々と犠牲者が増える一方で。
階段付近に縮こまっているどんぐり——……いや、三上望は泣いていた。


「……俺、なんて恥ずかしい奴だ……」


望が恥ずかしがっている理由、それは——。


中学二年生にして『眉が抜かれる』という恐怖で、失禁してしまったからだ。


「……う、うぅぅ」


幸い、ここには誰もいないものの——。
皆にバレたらおしまいだ。
学校にまで広まり、あだ名も『失禁どんぐり』になり——。
その上眉毛がなくなったら、『失禁どんぐり〜眉なしver〜』なんて言われるかもしれない。


そうなる前に、生き残らねば。
眉を残して無事に家に帰れば、俺は心も体も無傷なまま人生を過ごせる。


そう思いながら、一人でニヤけていた。
すると、後ろから肩を叩かれた。


「……?」
「見 ぃ つ け た」


怪しげな笑みを浮かべる、蒼白した顔面——。
姫吉怜緒が、ピンセットを片手に持ってそう呟いた。


「うわあああああああああ!」
「そんな驚くなよ、望……。フフ、デュフ、デュユユユユユ、フ、俺たちの仲だろう?」
「い、今は別だ! あっちいけ!」


望は怜緒に向かって、乱暴に言い放った。


「……なん……だと……?」


怜緒の蒼白の顔面は更に蒼白になり、白目をむき始める。
その怜緒の凄まじい顔に、望は再び失禁しそうになった。


「——あーあ、望ってば。怜緒を怒らせちまったな」
「……優志!?」


白目をむいて……まるでエ○ソシストのようになっている怜緒の背後から現れたのは、出っ歯と太い眉毛が特徴の——……三井優志。
優志は出っ歯を更に出っ張らせながら、「デュフ」と気味の悪い笑みを浮かべていた。


「なんか望臭い。デュフ」
「なっ」


バ レ た ?
望の色黒の顔が、怜緒並みに蒼白になる。


「……まぁ、匂いなんかどうでもいいか。——望の眉毛、俺に負けないくらいの太いボサ眉だもんな」
「な、なっ……」


ボサ眉にボサ眉扱いされるとは。
望はそう思いながら、後退る。


「……知ってるか? 望」
「え、?」
「怜緒が白目向いて顔面蒼白状態になると——……、




       凄い勢いで、他人の眉毛を抜き始めるんだ」




優志のその言葉と同時に、怜緒は凄い勢いで望の髪の毛を掴んだ。
あまりにも凄い力だった為、望の髪の毛が大量に抜けた。


「うっぎゃああああ!」


望の頭のてっぺんは、綺麗に地肌が見えていた。
望は床に転がりまわるが、優志がそれを抑える。
そして怜緒は、望の上に馬乗りする形になった。


「……望の眉毛、貴重な眉毛だから……。一本一本、丁寧に抜いてあげるね」


怜緒は語尾にハートマークがつきそうなくらいの甘ったるい声をだし、ピンセットで望の眉毛を掴んだ。
そして素早く手を動かし始めた。


プチプチプチプチプチプチプチッ


「ぎゃああああああああ、や、やめてくれ、痛いぃぃぃぃぃ!」
「眉毛が太いと、美里奈が嫉妬するからな。俺も狙われかけてる身だから、犠牲になってくれデュフフフフフ、ハァハァハァ、愛可ぁぁぁぁ、早く会いたいよ愛可ぁぁぁぁ、オウフ」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアア」


優志の気持ち悪い笑い声とほぼ同時に、望の悲痛の叫びが家中に響き渡った。






(中編終了)
前編よりキャラが崩壊してますね←
森野と怜緒がホラー気味になってますが、気にしない方向で←
後編も、今から頑張って書いちゃいますw