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Re: *叶恋華* +実話+ 60話更新! ( No.297 )
日時: 2011/03/05 03:17
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: TV0MM72m)
参照: 3月……かw 更新約3か月分残ってる←

第六十三話『謝罪メール』


どうせ枯れてしまう華ならば、
自らの手で、手放そう。




『ごめんなさい』
何度も何度も、その言葉だけを心の中で呟いていた。
それ以外、もう頭になかった。


どうせ嫌われてるなら、謝ることしかできない。
これが最後、になるんだ——。
私は小さく深呼吸をして、携帯を開いた。


from.依麻
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こんばんは^^
突然メールごめんね;

ちょっと話したいことっていうか、
謝りたいことあるんだけどいいかな?
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壱に打った、メール。
私はもしかしたら、少し期待をしていたのかもしれない。
そうなのかもしれない。
だから諦めるためには、君に本当に嫌われなきゃいけない。
そうじゃないと、前に進めない。
うざいかもしれない。
君にとって、迷惑かもしれない。


だけどこれで謝って、すっきりして。
罪悪感を取り払って、前に進みたい。
酷いことを言われたとしても、落ち込まないで進む。


傷つく準備はできている。
私はメールの内容を何回か見直し、送信ボタンを押した。


「……よし、」


送信完了。
次に私は愛奈にメールをした。
今日の事を愛奈に謝ると、愛奈は『大丈夫だよ』と言ってくれた。
私は安心して、壱に謝る内容を一緒に考えてもらう事にした。
こういう風に人に頼るのがダメなのかもしれないけど——。


これで、もう最後にしたい。
全部捨てて、全部真っ白にしたかった。


**


その後、壱からメールが来る気配がなかったので……。
私は少し眠っていた。
しかし、メールの着信音が鳴り響き、私は飛び起きるように起きた。
そして恐る恐る携帯を開く。


「……っ、」


from.壱
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
遅れてごめん0Д0

で、どうしたの?^^
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二十三時四十五分——。
壱からの、メール。


来ないと思っていた。
だけど、返事を返してくれた——……。
それだけで、一気に鼓動が早くなる。


考えていた事が、真っ白になる。
ど、どうしよう——。
とにかく、謝らなきゃ。
返事を返さなきゃ。


自分の素直な気持ちを伝えて——。
諦めなきゃ。


少し悩んだ末、私はメールをこう返した。


from.依麻
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大丈夫だよ
こっちも遅れてごめん;

えっと、謝りたいことはね;
まず、まぁ、恥ずかしい話でありますが……。
正直に言うけど、私の好きな人は知ってますよね?

それで、言い訳に聞こえるかもだけど、
私は半端ない人見知りで、自分からなかなか人に
話しかける事が出来なかったんだよね;
転校生っていう立場もあったし、話しかけたら
馴れ馴れしいかな? とか思ったりして、
なかなか好きな人に話しかけられなくて;

頑張って話せるようにと、
メアド渡させてもらったりとかで
周りに少し協力はしてもらってたんだけど、
ちょっとその協力がとんでもないことになり、
頼んでもいない変なことしつこく聞いたり、
周りが冷やかしたりとかして、色々ごめんなさい;;

本当に迷惑かけたし、嫌な思いさせたから、
本当にごめんなさい。
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愛奈と二人で考えたメール。
今冷静になって考えれば、なんと意味不明なメールを送ったんだろうと思う。
こんなの繰り返してたら、そりゃあ嫌われるよね。
自業自得だ、私。
愛奈に考えてもらったのは嬉しいけど——。
壱からしてみたら、こんなメールもらったらびっくりするよね。


でもこれで、本当に終わるんだ。
壱に酷いこと言われるのは、覚悟できてる。
嫌われて避けられるのも、覚悟できてる。


今思えば、壱を好きになって——。
もう、二か月も経ってたんだね。
その間に、こんなに好きになれるなんて。


諦めたくない。
だけど、君に迷惑をかける訳にはいかない。
怜緒みたいな風に、なっちゃ駄目だ。


「……っ」


やばい、泣きそうだ。
壱の事を、頭から消さなきゃ。
私は携帯を握りしめた後、静かに机に置いた。