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Re: *叶恋華* +実話+ 60話更新! ( No.298 )
日時: 2011/03/05 03:42
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: TV0MM72m)
参照: 昔から鼻炎持ちなんだが、最近はますます酷くて辛い←

第六十四話『君の優しさ』


その数十分後。
再び、メールの着信音が鳴り響いた。


「……」


壱からのメールだった。
正直、私のメールなんて無視されるかと思っていた。
しかも、あんな意味不明な長文メールなんか……。


メールの内容を、見るのが怖い。
だけど、酷い事が書いてあっても覚悟は出来る。
大丈夫、これで諦められる——。
私はそう自分に言い聞かせ、メールを開いた。




from.壱
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いやw ぜんぜんいいよ^^
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「……え……っ、」


返ってきた答えは、本当に意外な答えだった。
もっと、酷いこと言われると思ったのに。
迷惑かけたのに。
嫌われるような事、したのに——……。


壱は、許してくれるの?


「……っ」


涙が溢れてくる。
そんな風に優しい言葉で私を許してくれるなんて。
壱は、優しすぎるよ。


そんな風に優しくされると。
諦められなくなる。
君の事が、もっと好きになる。


こんな私に、優しくしてくれるなんて——。
今まで好きになった男子の中で、壱が初めてだよ。


一度好きになったら、私しつこいのに。
悩んでネガティブになるのに。
突然変な事言い出すのに。
大切な人に、迷惑かけちゃうのに——。


「……」


でも壱の優しさに、甘えちゃダメだよね。
前を向いて、進まなきゃ。


でもね、本当にすごく嬉しかった。
怜緒の時みたいに、『死ね』とか『キモイ』とか言われると思ってた。
もしかしたら、壱は私に気を使ってるだけかもしれない。
そうだとしても、すごく嬉しかった。


ありがとう。
本当に、ありがとう——……。


何回言っても、足りないよ。
この気持ち、溢れて止まんない。


私は壱にメールで『ありがとう』と返事をし、涙を拭った。
すっきり、した。
これでもう、大丈夫。


後は過ぎていく時間の中で、私がどうすればいいのか考えるだけ。
大丈夫。
一人になっても、大丈夫だから。


自分の進む道は、自分で決める。
もう、他人を傷つけたりしない。
同じ失敗はしない。


自分の道を、ひたすら前を向いて進んでいくんだ。