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Re: *叶恋華* +実話+ 74話更新! ( No.341 )
日時: 2011/03/21 18:40
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Go.89if1)
参照: あの夢に君が出てきた時から スネオじゃないの(は

第七十六話『皆の気持ち』


無理して諦めなくても、いいのかもしれない。


そう考えて、みようか。


迷惑かけるかもしれない。


だけどもう一回、頑張ってみようか。


詳しい真実はわからないけど、


君の好きな気持ちは、真実だから。





次の日——。
朝学校に来ると、テスト座席になっていた。
……あぁ、そうだ……。


今 日 テ ス ト で し た ね


ここ最近色んな事があったし、テストどころじゃなかった。
学生が何言ってんだって話ですがね。
やばい、全然何も頭に入ってません。
ちーん。


「……」


テスト座席は、出席番号順。
私は水城で「み」なのと、転校生なので、廊下側の端っこで後ろの席というベストポジションだ。
その隣の男子——……龍の斜め横の横の席には、壱が居る。
壱は珠紀で「た」なので、中間あたりの席。
遠いっちゃあ遠いけど、私の席から見える位置に居た。


特別な時にしか着ない学ラン姿の壱は、やっぱりかっこいい。
自分の好きな人だけ、なんか特別かっこよく見えるよね?
恋って、不思議だ。


そう思っていると、私の前の席の女子が席に着いた。
それで私は、我に返る。
……私の席の前——……。


優 じ ゃ ん


そうだ、優は宮田。
「み」なんだ。本来で行けば、女子の最後なんだ。
あぁぁ、忘れてた。
こういう時に前後の席って……。
気まずい。うん、気まずすぎます。


「——じゃあ、テスト用紙配るぞー」


私の心境なんて構わず、テストは始まる。
あぁ、あひょあひょ。
一時間目から数学のテストなんて、本当にとことんツイてない。


「……依麻」
「っ!?」


硬直していると、優が後ろを振り向いた。
そしてテスト用紙と共に、小さな紙切れを差し出す。
あぁぁ、紙切れパターンですか。
由良方式ですね、あう。
由良は謝罪とかだったけど——。
優は、なに書いてるんだろう。
悪口? やっぱ悪口でいっぱい?
そう思いながら、恐る恐る紙を開いてみた。





『依麻へ
色々ごめん。
ずっと、謝りたかったんだ……。
返事ちょうだい。

優』


「……え、」


思わず、間抜けな声が出た。
まさかの謝罪手紙。
シンプルな手紙だけど、サバサバしている優っぽい手紙。
ただ茫然と優の背中を見ていると、優が顔だけこちらに向けた。
そして口パクで——……。


『ご め ん』


私をおとしいれる為、心にない謝罪をしている?
——そんなはずが、ない。
だって優の顔は、本当に真剣だ。
演技にも見えない。本当の、謝罪。


「……」


謝ってもらえたのは、いいけど——。
由良と愛奈、どうする?
私は頭の中で、昨日の二人の言葉を思い出してみた。


『私、もう優とは絶交する覚悟でいます』
『優のやり方は、汚いんですよね』
愛奈はわからないけど、由良の意志は固いと思う。
優を徹底的に一人にする気持ちはないけど、由良がどうするか……。
皆の気持ちが、大事だよね。


とりあえず、休み時間に二人に相談しよう。
うん、そうしよう。
まぁ、そういう訳で今は——……。


『数学のテスト』という、戦場を乗り越えようか。