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Re: *叶恋華* +実話+ 78話更新! ( No.350 )
日時: 2011/03/22 19:22
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3lsZJd9S)
参照: 嫌われたくないからと 自分を放棄した(by.リフレクト

第七十九話『天然炸裂』


次の日——。
何故か私の席の周りでは、クイズが流行っていた。
クイズを出している疾風と、それを笑いながら楽しそうに答える龍と壱とヒロ。
私は壱の方をチラ見しながら、三人のやりとりを聞いていた。
普段無口なヒロも、幼馴染の壱と明るい性格の龍の前ではお喋りで。
龍のおかしなトークと、壱の天然さはもう爆笑ものだった。


「発酵されたおにぎりさん」


壱は自信満々にそう言った。
クイズの答えが『発酵されたおにぎりさん』って……。
壱の天然珍解答に、ヒロも龍も笑っていた。


「おにぎりって、うける」
「つかそのおにぎり問題、さっき終わったし! さっき答えいったじゃん」
「ぁえ?」


ヒロと龍は大爆笑しながら言った。
壱は首を傾げて、間抜けな声を出す。
この三人の会話を聞いてるのは面白いけど——。
笑いを堪えなきゃいけない為、非常にしんどかった。


「——じゃあ問題。天丼マンと食パンマンとアンパンマンとバイキンマンが勉強会をしました」
「は? パン勉強できないべ」
「壱黙れい! さぁ、この中で話が聞けたのは?」


疾風が壱にツッコみながら笑みを浮かべて言った。
疾風は頭がいいので、こういったクイズを考えるのが得意である。
さぁ、皆さんも一緒に考えてみよう。


「天丼マン? おにぎりマンじゃなくて?」
「違ぇよ、そしておにぎりから離れろ壱」
「あーんぱーんまーん、しょーくぱーん——……あ、わかった」


天然珍解答が止まらない壱の横で、龍はひらめいた。
疾風は「わかった?」と笑みを浮かべる。
龍は自信満々に頷き、疾風に向かって口を開いた。


「答えはなぁ、食パンマンだ!」
「はい、龍正解ー。壱とヒロぶっぶー」


疾風は嬉しそうな顔でそう言った。
正解した龍も、ご満悦。
しかし壱の天然は止まらない。










        「食パンマンはショック死したんだよ!」




「……は?」


壱の天然珍解答に、疾風と龍とヒロは固まった。
これはさすがに、珍解答の度を越えている。
皆さんは多分、壱の天然はわざとだ……と思ってるでしょう?
私もこの時ばかりは、わざとかと思った。
しかし——……。


見てください。
この壱の、自信満々な表情。
わざと感なんか一つもない、真剣な表情——。


壱 の 天 然 レ ベ ル は 高 か っ た !


「食パンだからショックパン」
「は?」


ダ ジ ャ レ も 寒 か っ た !
食パンだからショックパンって……。
寒すぎるけど、壱の自信たっぷりの表情が笑える。
うん、壱の天然最高。
龍たちもなんだかんだ言って、大爆笑してるしね。


「You are nice to me too?」


爆笑が止んだと思った瞬間、龍が突然壱に質問し始めた。
ゆーあーないすとぅーみーとぅー……?


「ほわぁぁぁぁぁっつ?」


頭の中で考えていると、壱がおかしな口調でそう言った。
ヒロと疾風、そして問題を出した龍も大爆笑。
龍も疾風も頭がいいので、なんだか嘲笑ってるようにも見えたが。
いやぁ、それにしても面白い。
うん、でも笑い堪えるのが凄くキツイ。


そう思ったとき、


「——壱、なんだよ」
「は? や、チラチラ——……」
「——……」


壱と龍が、こそこそと何かを話し始めた。
内容は聞こえないけど——……。
壱のことチラチラ見てたのは確実です、すみません。
とりあえず、心の中で謝罪した。