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Re: *叶恋華* +実話+ 83話更新! ( No.371 )
日時: 2011/03/29 00:38
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Q3zV8Sch)
参照: 自分磨き頑張る。あの子に負けない。

第八十四話『意味深野郎』


「……最悪」


次の日——。
朝一から、理科の小テストが返ってきた。
結果はもちろん——……。


「——うっわ、水城さんも三十四点かよ」
「うわっ!?」


健吾が前から覗いてきて、私は思わず後ろに反り返った。
そうです、百点満点中三十四点ですよ。
これでも結構頑張った……つもりなのにな、うん。


ていうか、水城さんもって——?
「も」ってどういう事じゃ。


「俺も三十四点。ヒロは?」
「……」
「おぉ! ヒロも三十四点!! ぎゃははは」


どうやら、健吾も三十四点みたいです。
そしてあろうことか、隣のヒロも。


「水城さんって馬鹿だね」
「うるさい」
「ばぁか」
「うるさい、あぁもう」


同じ点数の貴方に言われたくありません。
だけど私は馬鹿さ、どうせ馬鹿さ!!
そんなの自分だってわかってるわい、ばーか!
水城、開き直りました。


「もう、テストなんかいい。どうでもいいよ」


私はそう一人で文句を言い、今度は優に渡された書きかけのプロフィールを書こうとした。
すると、机に出した数秒でプロフは消えた。
……what?


「ほうほう……」
「ちょ、いつの間に!?」


いつの間にか健吾の横——……、つまり私の前に居た疾風が、私のプロフィールを見ていた。
まぁ書きかけだから危ない事は書いてないけどさ。
ていうか疾風、そこ冬香ちゃんの席……。
冬香ちゃん今日休みだけどね、うん。


「好きな人書けよ」
「やだ」


絶対書くもんか、手が言うこときかなくなっても書くもんか。
私が頑なに拒否すると、横の健吾が動き出した。


「水城さん好きな人誰?」
「うるさい」
「壱だよ」
「!?」


必殺うるさい連呼攻撃を使っていたのに、横から疾風に防御された。
健吾は目を丸くして、「まじ? まじで壱なの?」と疾風と小声で話し始めた。
……おのれ、長沢疾風!!


「……宮田のプロフ、一位が門倉でー、二位が叶汰でー、三位が武。そして有名になりそうなのが……、壱!!」


健吾と疾風は、私の方を見てそう言った。
おいおいおい、そこを強調するでない!
そう心の中で叫んでいると、今度は疾風は壱の方を見始める。
そして、壱の方を見て私の方を見て、疾風はあごで壱を指した。
当然それに気づいた壱は、口を開く。


「っ、……なに、疾風」
「いーや、何も?」


疾風は笑みを浮かべ、憎たらしい声でそう言う。
そしてその後、勝ち誇ったような表情で私を見た。
……むかつくなぁこいつ!!!


私は心の中で文句を叫びながら、疾風を睨んだ。