コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ 83話更新! ( No.373 )
- 日時: 2011/03/29 02:47
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: Q3zV8Sch)
- 参照: 自分磨き頑張る。あの子に負けない。
第八十六話『深々思考』
*五時間目*
本日ラストの授業は、美術!!
締めくくりが楽な授業って訳で、私のテンションが上がっていた。
しかし——……。
「……げ」
美術の席は、班体形になっていた。
今日は冬香ちゃんが休みなので——。
女子一人じゃん、私。
比較的クラスでも高身長&イカつい体形の男子が集まった、私の班。
この中で女子一人って……。
ちょっと、いやかなり抵抗が……。
なんで冬香ちゃん休んだんだよー!!
私は心の中で悲鳴を上げながら、しぶしぶ自分の席に着いた。
うぇるかむ、地獄の班へ。
「おいおい水城、プロフに好きな人書け」
「やだし」
疾風はこればっかりうるさいし。
あぁもうあぁもう、死んでも書くもんか!!
私は心の中で叫びながら、疾風を睨む。
すると、
「プロフに好きな人書くか、それかある人に——」
「え?」
「……や、なんでもない」
疾風は何かを言いかけ、途中でやめた。
何、なんだ気になるじゃないか。
私は疑問に思いながらも、黙って作業をしようとした。
ここで色々聞いたら、またうるさくなるはずだ、うん。
しかし、
「プロフに好きな人書けよ」
疾風くんは、しつこかった。
私は作業しようとした手を止め、疾風を見る。
——そのドヤ顔、腹立つなぁ。
「なんで」
「いや、なんか面白いだろ」
「面白くないし! 絶対書かない」
「んー、じゃあある人は——……」
疾風はまたここで、言葉を止めた。
『ある人』?
さすがにこの単語には引っかかり、私は目を丸くした。
「は? ある人って?」
「言ってもいいの? ここで」
「……や、なんか怖いからいい」
疾風のドヤ顔も、怖い。
「じゃあ言わない」
「でも気になる」
「それならプロフに好きな人書けばいいんだってー。そしたらある人に——……」
「え?」
「なんでもない」
疾風は笑みを浮かべた後、作業を始めた。
……『ある人』とは、多分——……。
いや、多分じゃない。絶対壱だろう。
疾風のその意味深の言葉は、どうも引っかかる。
深入りしたいけど壱近くにいるし、疾風なら壱に何言うかわからないからやめておこう。
うん、それが安全。
めっちゃめちゃ気になるけど——。
安全第一ですよ、うんうん。
私はそう思いながら、作業を開始した。