コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.44 )
- 日時: 2011/01/29 19:43
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3JMHQnkb)
- 参照: まーぐなーむ(・3・)プップー
第八話『二人のセカイ』
「由良ぁぁ!!」
次の日——。
私は朝一番で、由良の元へ猛ダッシュした。
多分、その時の私の顔は凄まじかったと思う。
「由良さ、叶汰に告ったの!?」
「ちょ、依麻声でかい!」
「あ、ご、ごめん! で、返事ってさ、友達のままで意外なんか言われたの?」
ただそれだけが、気にかかっていた。
私は息を荒くしながら尋ねるが、由良は軽く笑みを浮かべて私の肩を掴んだ。
そして私の肩を激しく揺らし始める。
「あがが」
「秘密! 教えなーい」
「え、ちょ、由良!?」
由良は、散々私の脳みそをシェイクした後去って行った。
ちょ、姉さぁぁぁぁぁーん!!!
私はその場で一人立ち尽くし、ただ茫然としていた。
叶汰と由良、相変わらず仲いいよね……きっと。
だって告白したのが土日なのに、昨日全然気まずさもなくて仲良かったから……うん。
どうしよう、私。
ちょっぴり、ショックだ。
**
休み時間。
私と由良と優と愛奈は、落書き帳に落書きをしていた。
「よし、出来たぜ」
「ちょ、ぶっは!!! 叶汰ぁ〜!!」
私は変な四コマ漫画を作った。
それを見た由良は、大爆笑したまま叶汰の元へ向かった。
……しまった。
気づけば私は、慌てて由良の後を追いかけていた。
「見てよ叶汰! これ、依麻が描いたやつ!」
「ん? ……ぶっ、なんだよこれ」
私の描いた四コマを、叶汰はじっくりと眺めていた。
な、なんか恥ずかしい……。
もっと丁寧に描けばよかった。
「ここの部分、のっぺらぼうになってるけど。顔書いていい?」
「うん、いいと思うよ。ね、依麻」
「う、うん!」
私が頷くと、叶汰は可愛い笑みを浮かべて顔を書き始めた。
真剣に書いている叶汰の横顔を、私は少しだけ見つめてしまっていた。
「……できた! 低○費だべ」
「叶汰うける〜」
叶汰は落書き帳を持って、由良に見せていた。
由良は大爆笑。
私も慌てて叶汰から視線を外し、笑みを浮かべた。
「——てか、由良。そのポケットから覗いてるのは何だよ」
「え? ……あっ!」
叶汰は、由良のポケットから出ている小さな紙を奪った。
あれはもしや——!?
嫌な予感が、した。
「叶汰、駄目ーっ! それは、依麻からもらった手紙!!」
予 感 的 中
やっぱり私が書いた手紙かぁぁぁぁ!!!
手紙の内容に支障はないけど、字が汚い上に「うひょ」とか「ぶひょ」とか変な事書いちゃったよ……っ!!
「——ねぇ、この手紙地味。もうちょい好きな人とかそういう系のないの?」
手紙を読み終えた、叶汰の一言。
地味。
地味地味地味地味……。
『地味』という文字が頭の中を駆け巡る。
『依麻、お前って地味だよな』
——ふと、小学校時代を思い出した。
地味や暗いなど言われてた、小学校四年生の時を——。
私を地味と言った張本人、そして元好きな人。
野沢流の顔が思い浮かんだ。
駄目だ、完璧ショックだ。
やっぱり私は地味なのか……。
がびびん。
そんなショックを受けている私を差し置いて、
「てか叶汰前髪邪魔じゃないの?」
「前髪は俺のチャームポイントなんだから」
「なにそれ〜」
由良と叶汰は二人の世界へと突入していた。
うっへぇい、私完璧邪魔だよね。
明るくて面白い、クラスのムードメーカー叶汰。
明るくて優しい、由良。
そんな輝いてる二人の世界に入れる程、私は強くない。
そんな眩しい二人の間に入れる程、私は眩しくないんだぜ!?
へいへいべいべーっ!
KYですみませんでした……うぅ。
私は泣く泣くその場から離れた。