コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華* +実話+ ( No.45 )
- 日時: 2011/01/29 19:46
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 3JMHQnkb)
- 参照: まーぐなーむ(・3・)プップー
第九話『恋』
*放課後*
今日も学校祭準備活動があった。
あぁ……、放課後活動か……。
叶汰と由良と一緒なんだよね……。
私は小さく溜息をついて、一人離れたところに座っていた。
「依麻ぁ、見てみて! 余った紙でくじを作ってみました〜」
そんな私に、笑顔で由良は近寄ってきた。
見れば、由良の手には四本の細い紙が。
「叶汰、こっち来て! これ引いて」
由良は叶汰を呼び、叶汰は私たちのところに近づいてきた。
そして叶汰は一本紙を引き、書いてある文字を見た。
『ビンタ』
「はい、叶汰ビンタ!!」
「いってぇ!! 何すんだよ、由良!」
「ビンタしてやったのだ」
またも、二人の世界が始まった。
あーぁ、告白しても気まずくならないで仲いいって羨ましいなぁ……。
その由良の度胸に、乾杯。
……なんだろう、私だんだん壊れてきてるよね?
「——ねぇ、由良にビンタしてやって」
「はいっ!?」
突然叶汰に話を振られたので、私は思わず変な声を出してしまった。
び、びっくりした……。
私は驚きを隠せずにいたが、同時に嬉しさが私の中で沸き上がる。
とりあえず笑みを浮かべると、叶汰も軽く笑ってくれた。
「ねぇ、まじで今由来にビンタしてあげて」
その時の笑顔が、眩しくて。
あぁ……。
やっぱこの人、かっこいいな。
「……仕方ない。じゃあ依麻、ビンタしていいよ」
「は、はい……」
由良が腕を出して迫ってきた。
私はしぶしぶながらも、由良の腕に軽くビンタする。
すると叶汰が、私と由良を見ながら呟いた。
「おいおい、普通ほっぺじゃねぇの?」
「じゃあお前にもう一回やってやろうか」
「遠慮しときます」
由良と叶汰は笑みを浮かべ、また二人の世界へと突入した。
あは、羨ましいぜひゅーひゅー。
私は二人から視線を外し、また離れたところに座った。
**
「——じゃあガムテープ貼る作業しよー」
時間も経ち、ガムテープ作業。
遊んでいた由良と叶汰も作業を手伝い、遠く離れていた私も作業をし始めた。
「よいしょっと」
叶汰がガムテープを抑え、綺麗に板に貼った。
私はその板の端を抑えながら、叶汰の作業を見ていた。
「……」
大きな手だなぁ……。
そう思っていると、横にずれてきた叶汰の手と、私の指が軽く触れた。
私は慌てて指をずらし、叶汰から視線を外した。
やばい、ドキドキが……。
「——よし、じゃあガムテープ作業終わりね」
「了解! ——じゃあ俺、部活始まるからお先に」
ガムテープ作業が終わると、叶汰はカバンを持って去っていってしまった。
由良は顔を上げ、叶汰に手を振った。
「……」
私の心には、『寂しい』という感情が湧き上がった。
由良と叶汰が二人の世界を築きあげても、君を見ていたいと思った。
……やっぱり私、この人が好きだ。
坂上叶汰に、恋をしてしまった。